夢界準備中
とりあえず続きです。こちらはどのくらいの更新になるのでしょうか…
テンション高い時しか書けないです
とりあえず夢界の整理をする私。私の部屋の掃除は後でで良いわ
主人公センサーとか、主人公キャッチャーとか。どういう理屈でこんなもの作ったのやら解らない代物が沢山送られてきたのを片付けないといけない現状なのよ
「エリスさん~、これ何処に置きましょう~?」
これがこれらを持ってきた張本人。邪神様が遣した神という事は直ぐに理解できたけどね
律儀にも手紙も持ってきてたし…「後、宜しく」しか書いてなかったとしても、ね…フフフ
まあ、この子が悪いわけじゃない。でも、見習いとはいえ神よ? 私の手伝いをさせるとかこの子の先々不幸しかないんじゃない?
「あ、それは。さっき別に主人公区作ったからその管理室に付けておいて良いわよ」
「了解しました~」
素直で良い子なんだけど。ドジもしないし。見た目も良いし…立派な女神になるはずなのにね。籤運でも悪いのかしら?
見た目を言えば青髪青目の小柄な司書といった感じ。小柄だけ合ってスタイルは可愛そうだけど…私と比べる事が間違ってるわね
私は夢魔の典型な姿よ。男の願望ばかり詰まった…夢界を管理するに当たって男の欲望が凝り固まった姿になったのは事実だし
ちなみに夢界は男だけじゃなく女の夢も管理してるわよ
「だいぶ形になってきた感じかしらね」
元は夢界はまったり何も無い空間…夢というのは人それぞれ、見る人が違えば場所も違う、記憶も記録も違って世界として成り立たない場所なのよ
だからあえて何も無い空間にして人々の記憶や記録、妄想や幻想、期待や絶望などを人毎に変えていくという形を取っていたのだけど、今回のこともあって世界での作りを変える必要が出てきたということ…なのだけどね。余りにも夢界が広すぎたのが原因ね
分けたのは主人公区、人区、人外区、魔区の4つ。主人公区以外は区分けしかしていないわよ。その分主人公区は凝りに凝ったけど
その主人公区、主人公の夢を他の区から見つけた場合に飛んでくる仕様になってるわ。夢の中身が変わるわけじゃないけれどね、その主人公がどのようなのか解らないし。とりあえずこちらで管理して何か異常が見られた時だけ夢に干渉する…そんな所で落ち着いたわ
「エリスさん~、持ってきたものは略設置終わりました~。後は管理するだけですか~?」
「そうね、管理するといっても大したことは出来ないのは間違えないようにね、神ちゃん」
そう、夢に干渉はすれど介入は出来ない。出来るのは話を聞いて、相談を受けて。そして私なりの答えを返してあげるだけ。神ちゃんには悪いけれど、神としてここで動くのは許されないことなのよ
「神ちゃんって呼び方どうにかなりませんか~? 私にも名前があるのですけど~」
名前はフェスタだったかしら? 覚えてはいるけれど呼んであげない。邪神様もそんな感じだしね
「神ちゃんは神ちゃんよ。私は呼ばれても大差ないけれど神の真名を夢の中でも呼ばれるのは危険でしょう?」
フェスタって初め呼んだ時に硬直したのを忘れては居ない。この子素直すぎて私に真名で自己紹介しちゃっているのよね……危険という事を身に沁みて分からさせてあげるのも良いのかもしれないけれど、苦労するのは私なのよ。却下だわ
「ふぇ、分かりました~。管理室の整理してます~」
「と、もういいからお茶でもしましょう…お茶入れてきてね」
この子は目を離すと直ぐ仕事に行きたがる癖がある。ワーカーホリックってことかしら? 見習いでどれだけこき使われてきたのかしら……元の主は屑ね。私の管理下ではそんな事はさせないわ。寧ろ仕事を忘れさせてあげる
「お茶入りました~。お茶菓子も用意しましたよ~」
「はいはい、今行くわ」
パタパタと忙しそうな音を立てるのはもう直らなさそうね。性格的なもののようだし、長所に変える要素でも出来れば良いけど…神じゃなくて働き蜂のような天使の方が似合いそうだと思うわ、本当にね
と、用意された椅子に腰を下ろして向かい合わせになった彼女を見つめれば首を傾げていた…少しは考えなさい。今は私が主導権を握ってあげるけど
「さて、と。休憩がてらに神ちゃんの知識を確認しておきましょうか」
「知識ですか……神の法律なら丸暗記しましたけど~」
それは違うわ。神の法律なんて覚えてるのって作った神達と巻き込まれた神だけじゃない。治外法権のここでは無用の長物よ
「無駄に脳内の記憶容量を圧迫しかねないからそれは直ぐに忘れたほうがいいわ。どうせ神ちゃんのことだから勧められた物をそのまま吸収でもしたんでしょう?」
「え、何で分かるんですか!?」
驚きで間延びが消えたのかしら?
しかし朴訥で純粋。もう、何なのかしら、この娘…私色に染めてあげてもいいけれど、私に付けたのだから邪神様の後継候補なのよね。困ったわ
「典型的だったからよ……まあ、それは置いておいて。となると神ちゃんはここで今後行われる事に関して事前情報は何も持っていないってことになるかしら」
「……はい。荷物を渡されて偉い人にここに飛ばされてそのままでした~」
邪神様? 貴方こんな若い純朴な神に何てことしてるんですか?
「ごめんなさいね。無能な上司を持つと辛いわ」
「いえ。これも何かの縁だと思うことにしているので大丈夫です~」
前向きなのは良い事だわ。キャッチセールスや通信販売とかのトラブルに巻き込まれないといいけど。悪魔達の中では活発なのよね
「と、脱線はこれくらいにしておきましょう。まず第1に、ここは何処で何をしている所かはわかる?」
「それは流石に知ってますよ~ ここは夢界で幾多の世界の生物達の夢を管理しています~」
はい、残念。先程言ったのにね
「はい、不正解。管理しているわけじゃないのよ。ただ見守っているだけ。時折夢の中に来る邪魔者を退治したりはするけどね」
「えぇ~ じゃあ、邪魔者が来ない限りは何もすることが無いじゃないですか~」
結構ズバッというわね…確かに何も無いのは事実だけど。前任者も何も無さ過ぎて邪魔者が来ても気付かないくらい呆けていたし。ある程度の根気と忍耐力が必要なのよ、これ
「まあ、そうね。確かに今まではそうだったわ。邪神様が面倒な依頼を持ってこなければそのままでいられたのよ」
「今までは~? 面倒な依頼ですか~?」
……ちょっと馬鹿にされている気がするのは気のせいかしら? 後で伸ばさないように躾が必要かしらね?
「………(ぶるぶる)」
あら、嫌だ。ちょっと魔力が漏れちゃったわ…まあ、こうしておけばそのうち直るかしら?
「そう、今までは。つい先日にね、邪神様から「主人公達のカウンセラーをしろ」って押し付けられたのよ」
「………め、名誉な事じゃないですか~」
ふぅ、まあ、大目に見るわ。名誉とか声望とか名声とか夢魔が貰って何が嬉しいのか聞きたいけれどね
「…更に邪神様も他の神々から押し付けられているのよ。どう考えても責任転嫁じゃない。ちなみに貴女も同じ扱いよ。きっと」
「………やっぱりですかぁ~」
ん、分かってはいたみたいね。さすがにそこまで物分りが悪いわけじゃないか。じゃ、丁度良いし本題に入りましょうかね
「建前上、貴女は私の手伝いとしてここに派遣されてきているのだからそれなりに覚えてもらわないといけないのよ。主人公の事とか物語の事とかカウンセリングの事とかを」
「記憶力には自信があります!」
いや、まあ…そんなに誇らしげに言われても。間延びは何処に言ったのよ…そりゃ神の法律を覚えちゃうのだから凄いとは思うけど、丸暗記じゃ全くといっていいほど役に立たないわよね?
「一応期待してるわ。音を上げないようにね」
「はい!」
本当に大丈夫かしら?
次回から非難を受けそうな話題になるかも