独善
「坂巻晴磨は、ケベックで突如姿を消し、未だに目撃されておらず…」
「…君に何の面目があって私の前にのこのこと現れたのかな?」
「…坂巻くん」
「…」
「君は…自分が何をしたのかわかっているのか?」
「暴走していたなんて言い訳にならない。君のせいで世界がどうなっなかわかっているのか?今更被害者面でもする気なのか?」
「…」
俺は、蘇我さんの前に伏せ、土下座をした。
「…何をしている?」
「…がいします…」
「は?」
「お願いします…助けてください…」
「…私が…君を助けると思うのか?」
「怜音が命を差し出してまで守ろうとしたものを…君が壊したんだ…」
「今更君に救いがあるとでも思うのか?自分のしたこと…償おうとは思わないのか?」
「俺はどうなってもいい!!!」
「…は?」
「俺は罪人だ…でも…ことなは違う…」
「俺に救われる資格がないのはわかってる…!でも…このままじゃ…ことなは…!」
「この手の中に…ことながいる…」
「世界がどうなったっていい…ことなは…ことなだけは…!救いたい!!お願いします!!!」
「…世界の全てを潰そうとしたくせに、自分の女だけは守りたいとでもいうのか…?どこまで自分勝手で最低な人間なんだ…君は…」
「…でも、正直なところだけは、少しだけ気に入った」
「…君の場のせいで思考が読めない。話してみろ。聞くだけ聞いてやろう。私の力を借りて、いったい何をどうするつもりだ?」
「俺は…」
ー「…君は…馬鹿なのか?」
「俺は本気だ」
「確かに、成功すれば、香住くんだけは救えるだろう。しかし、君にそんなことをする資格があるとでも思うのか?」
「…わからない…でも…こうしないとことなは救えないんだ…!」
「…世界は既に地獄と化した。君のせいでね」
「しかし、世界を救うためには君の力が必要なのも事実だ」
「…!」
「勘違いするな、私は…君を許していないし、君のために手を貸すわけでもない」
「私はただ…君が作った最悪の地獄を救うために…次悪を取るだけだ」
「タイムリミットは…あと3~40年といったところか、急がないとだな」
「ありがとうございます…ありがとうございます…!」
ー37年後
「なんとか間に合ったみたいだな…」
「…はい…」
「君は…本当にすごいな。この37年間、飲まず食わず、眠らずで…」
「…俺には必要ないですから」
「その左手…ずっと握りしめたまま開いてないんだろう?」
「…忘れないためです」
「君のその意地…いや、執着だけは認めよう」
「さあ、それじゃあ始めるとするか」
「はい…」
「世界を…元に戻しましょう」




