脅威
「黒崎さん、あの発現者、いったいなんなんっすか?」
「…さあな」
「NEOの存在は知ってますが…実際どれくらい戦力になるんですか?」
「…わからない…データがない。5年前、一ノ瀬政権の秘密裏の発現者実戦投入のデータならあるが…現在はどう変わったのか…」
「NEOの使用は、民間では禁じられている。研究目的でも、未だに政府は危険性を理由に許可を出していない。発現者とはいえど使用が許されるのは義務発散の時のみだ。それも、出力は制限されるがな…」
「出力は、個人差はあれど…中には化け物もいるらしい…」
「化け物…ですか…?」
「ああ…事実かはわからないが…別名検体11番、赤根空は…一撃で小さな山を半分削ったらしい…」
「それは…化け物じゃなくて天災じゃないですか…」
「もしかして…あの発現者…坂巻もそうなんでしょうか…?」
「わからない…ただ…彼はNEOの義務発散に毎日通った行跡がある…」
ー「あああ…」
「敵ミサイル…軌道上で完全停止…!」
「どういうことだ?!坂巻、これはまさか…」
「俺がやった。いっただろ。俺一人で十分だって」
「…なるほど…わかった。次の作戦ポイントへ向かってくれ…」
「…いいだろ」
「さっ、坂巻さん!お連れいたします!どうぞ、乗ってください!」
「場所は?」
「はい…?」
「走った方が速い」
「なんなんだ!あれは…!」
「千葉県にて高速移動中の物体を捕捉…!あれは…坂巻晴磨です…!」
「…発現者の身体能力は常人を上回るとは聞いていたが…あれほどだと…?」
「海が見えてきた。場所はここであってるな?」
「あ、ああ…元々は対人戦に投入する予定だったが…もしや…君なら敵艦艇を止められるのか…?」
「…任せろ」
やがて、連合軍の艦艇が陸に近づき始めた。
「Splendid reporting. We've reached the Japanese coast. Wait... There's a human figure... That's... the NEO-Expressed, Sakamaki!」
「Fire.」
「What? But...」
「Don't you know those Expressed are unknown-level threat? You fucking idiot!!! Do it already!!!!」
「Y... yes sir!!」
「Artillery units ready. Fire!!!!」
感知。
うん、見える。全力を出すまでもないな。
「敵艦砲…全弾空中で停止…!」
「All shots intercepted... sir.」
「Damn it!!!!」
「…死ね」
俺は、海に手を翳した。
徐々に、あそこへ場を伸ばしていく。
「Rapid drop in vessel temperature!!!」
「The sea... it's freez—」
「Splendid!!! Respond!!!! Do you copy?!! Damn it!!!!!」
凍りついた海の先に、敵の艦船たちが凍りついたまま止まっていた。
「...Send the Expressed units.」




