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 夜が明けて……。

 首都から一角が到着したことは、村の全員が知っていた。

 その結果がどうなったか、はたして魔狼は襲ってきたのか、興味を持たぬ者はいない。

 村長の家の庭には、朝から村人たちが詰めかける騒ぎになった。


「村長さん、昨夜の一角はどうなったね?」


「魔狼は出たのかい?」


「どこの家が襲われた?」


 口々に質問が発されるが、その答えは村長も知るはずがない。

 そこへ俺が帰ってきたのだ。

 俺とアオの姿に大人たちはざわめき、子供らは歓声を上げかけたが、すぐに静かになった。

 アオは背後に長い縄をたらし、3匹の魔狼を引きずっていたのだ。

 アオの重々しい足音に、ズルズルと地面の上を引かれる音が混じる。

 いずれも成長しきった大人の魔狼だ。

 驚くほど大きく、長い体はすでに事切れ、血にまみれている。

 ワイワイと騒がしかった村人たちは、冷水でも浴びせられたかのようになった。

 従者がやってきて、俺がアオの背から降りる手伝いをし、一瞬のうちに周囲は血の匂いで満たされた。

 村人たちが言葉を失っているのを見て、


「やってきた魔狼は11匹。そのうち3匹を倒して、残りは逃げた。逃げたうちの1匹には致命傷を負わせたから、当分この村に魔狼は姿を見せないだろうな」

 

 と俺が言葉をかけても、返事はないのだ。


「悪いが庭を貸りるぞ。退治した証拠に、3匹の尾を持ち帰らなくてはならない」


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