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俺に与えられた馬は、アオという名前だった。
馬術部にもかつて同じ名の馬がいたから、親近感がわかなくもない。
訓練は続き、あるとき俺たちは訓練場内の別の場所へと移動した。
それは最も奥まった位置にあり、2重の塀で囲まれ、出入口には常に歩哨が立つほど警戒が厳重な場所だった。
「あれは何だろう?」
とは思っていたが、今や俺とアオはそこへ向かって進んでいる。
塀と同じように2重の門があり、一つ目の門を入った時点で、まず背後の門がしっかりと閉じられた。
それほど警戒が厳しいのだ。
ついに内側の門が開かれ、内部の様子が俺の目前に姿を現した。
内部は丸く、充分な面積があるが、一種の決闘場のようになっている。
2者がぶつかり、殺し合いをする場所だと一目で知ることができる。
2者が入り、出てくるのは1人だけ。
観客席はないが、まわりを囲う塀は高く、乗り越えて逃げ出すことはできない。
合図もしないのにアオは勝手に前進し、丸い土地の中央に立った。
その背後で最後の門が閉じられたのだ。
俺はキョロキョロしたが、壁にもう一つの出入口が存在することに気づくには、時間はかからなかった。
そして、ついにそれが開かれた……。