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前書き
昔から歌い継がれた物語 名は知られず
奇妙な節回しと魅惑的な響きで多くの人を魅了した。
その歌は物語と物語の間に
拍を取るため、不思議な音が入った。
物語の一つ一つは比喩に富み
「小さなものに助けられる話」
「到る者が倒される話」
「姿形を変え逃げる者の話」
月日を重ねる毎に
物語は忘れられ
形だけのものになっていった
しかし物語と物語の間の不思議な音だけは、意味も無く、残り続けた。
そしてある日
その音は言葉になった
「これはあなた方の生きる道」
これがその物語の題名である。




