挫折と復活の繰り返しとその心の変遷
毎晩、それは続く。桃鉄という名の戦いが。毎晩1時過ぎまでゲームに縛られ、眠る時間も奪われる。自由な時間、それさえ奪われる。自分の意志など微塵も感じられない。まるで自我を剥奪され、操り人形のように先輩の言いなり。それが、私の日常だった。
耐え難い疲れと戦いながらも、眠りに落ちることなく、無理やり自分をコントロールしていた。だが、そんなある夜、ついに限界が訪れ、私は深い眠りに身を投げ入れようと「寝たふり」を試みる。ただ、一晩だけでも、一時でもいい、この無間地獄から逃れたかった。
だが、そんな切なる願いも虚しく、先輩の声が私を突き刺す。逃げる術など、この先輩の前にはない。また、桃鉄という名の戦場に引きずり戻されるのだった。毎晩の戦いは、私にとって地獄の拷問。だが、拒む術も、逃げる力も、私にはもう残されていなかった。
逃げ出したくても逃げられない、その絶望感。空っぽになった自我が先輩の前で震えている。それでもなお、先輩の期待に応えるべく、ゲームの世界に身を沈め続けていた。我ながら馬鹿らしいと感じつつ、抗えない何かが私をゲームの前に繋ぎ止めていた。
ある日、これ以上は無理だと、2日連続での予定を理由に一度だけ逃げようと企てる。しかし、先輩の言葉がそれを容赦なく打ち砕く。「言っとくけど、こっちも予定だって事を忘れんなよ」と。その冷徹な言葉に震え、逆らえずに頷くしかなかった。
私の自由はどこにあるのか、自分の人生は自分のものではないのか、という疑問が心をよぎる。それでも、言いなりにならざるを得ないこの状況、この絶望感から逃れる術はなかった。桃鉄のゲーム画面が、私の自由を奪い、尊厳まで侵す。
だが、何故かこの辛さの中で、何かを学び取る私がいた。抗う力を持たず、ただ流されるだけの自分。しかし、それでも、これからも桃鉄の世界に身を投じ、先輩との関係を続けるしかない。それは避けられない運命だった。毎晩のゲームは、私の心を削り、だが何故か奇妙な成長をもたらしていた。