3-入学式
まあ当然ちゃ当然なんだが、ここも名前はややこしいけど一応学校なわけだ。だから最初はでかい講堂に新入生が集まる。内装は至って普通だがここは普通の学校ではない。何か特別な仕掛けとかあったりするのかも。あたりを見回すと多くの新入生ざっと300人くらいだろうか。この中にこれから共に戦う仲間がいるかと思うとワクワクする。適当に並べられてる長椅子に座ろうとするとそこには先客がいた。黒髪のボブカットに黒縁の眼鏡、目の色はここからだとはっきりわからないが青みがかった黒に近い色。服装はこの学校共通の青と灰色の制服で一際目を引くのはその大きく膨らんだ胸だ。おそらくE以上はある。失礼の内容に胸から目を逸らしながら話しかける。
「君も新入生?」
油断していたのか肩を一瞬震わせてこちらを向く。
「は、はい。あなたも?」
「あ、はいそうっす。てかここにいるんだから新入生なのは当然ですよね!はは。」
「は、はあ。」
しまった。確実にやばい人だと思われた。なんとかしないと!
「あ、えと。どうしてここに入ろうと?」
「え、それ聞くんですか?」
さらに痛恨のミス。ここには言えない事情で来ている人もいるということを失念していた。なんという失態!
「いや!これからここで一緒に学ぶんだから友達になりたいなって思って!嫌なこと聞いてたらゴメン!」
精一杯の謝罪をする。
「あ、大丈夫ですよ。急に聞いてきたからどうしたんだろうって。こっちこそごめんなさい。」
なんて心が広いんだ。
「そうだ!まず自己紹介だよな!俺、成瀬 柊よろしく!」
「私は宇治宮 このは。よろしくね。」
「よろしく!よく考えたら最初からこうしてればよかったな。なんかここにきて焦っちゃってさ。」
「ふふ。面白い人。まあその気持ちもなんとなくわかるけどね。」
そのあとは軽く雑談した。どこから来たとか、好きな食べ物とか。結局なぜここにきたのかは聞けなかったけど、、まあいっか!仲良くなったらいつけ聞けばいいし!
そんなこんなで入学式の開始アナウンスがあり、少し待つと司会者が進行を始める。
「新入生の皆様。ご入学おめでとうございます。まず初めに学長よりお言葉をいただきます。」
教壇の前には誰も立っていないがライトアップされている。
「ようこそわが学園へ。」
なにもないところから声がする。
「今日は用事があって君たちの前に立てなかったのが残念だ。代わりにこの音声を録音しておく。君たちはこの星を守るために戦うことを選んでくれた勇気あるものたちだ。ヴェルスの進行はじつに------」
何やら難しい話が続く。最初の方は聞いていたが途中からは言葉を右から左に受け流していた。宇治宮さんはじっと学長の話を聞いている様子だ。話の内容はちゃんと覚えてないけど学長の話を聞いているとここにきたんだと実感が湧いてくる。そうだここから始まるんだ!俺の物語が!