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1話 友達が欲しい私。

投稿の仕方間違えたので一話をもう一度投稿します。

「おはよ」


「お、おはようございます」




 高校1年生の6月。私はいまだに友達ができていない。




 「固いな~。顔も怖いし。そんなんだから友達出来ないんだよ」とコミュニケーション力が高そうな高身長男子が言った。高身長男子の名前は青葉翔太という。




「ほんとに友達作る気あるの?」


「あ、あります!」


「ふーん。まぁ、友達がいたっていい事ないと思うけど?」


「それでもいいんです!」




 私、夏目梨花は赤ちゃんの前でも出ちゃう超がつくほどの人見知り。


 中学校で友達が作れなかったから『高校では』と思っていたけど、やっぱり人見知りが出てタイミングを逃してしまった。


 そこで友達作りを翔太さんに助けてもらっている。


 翔太さんは、お母さんのお兄さんの子ども。つまり私のいとこ。


 たまたま行きたい高校が一緒だった私たちは無事高校が受かって、今は一緒の高校に通っている。


 お母さんが友達が出来ない私を心配して翔太さんに助けてあげてと頼んだらしいけど、家族以外に超がつくほどの人見知りが出る私だから、いとこの翔太さんでも緊張してしまう。




「俺は友達作ってほしくない」


 そう翔太さんは強く言い切った。私は不思議に思って聞いてみた。


「え?何でそんなこというんですか?」


 なんでだろうと疑問に考えていたらなんか引っかかった。


「それってさっき言ってた、友達がいたっていい事ないっていう事と関係あるんですか?」


 そう聞くと翔太さんの顔がこわばった。何かを思い出すように……。


「……しょ、翔太さん?」


 名前を読んでも返事がない。


「翔太さん、翔太さん!」


「え、なに?」


 冷たい声で返ってきたからびっくりして顔がおかしくなっていたんだろう。翔太さんは慌てた様子で言った。


「ご、ごめん!びっくりしたよね!?」


「……い、いえ。わたしも……私も触れてはいけない話に触れてしまったようで……。本当に申し訳ございません」


「そんなことないよ。……中学の時にいろいろあって……」


 辛そうな顔をして翔太さんは言った。


「あっ、でも、梨花ちゃんに友達を作ってほしくない理由とは全く関係ないから」


「全く……ですか?」 


「うん。まーたく」


「何でですか?」


「何でですかって聞かれても……」


「ご、ごめんなさい。さっきも同じ事やってしまったのに……」


 翔太さんは顔を赤くして口を開いた。


「それはね………………したいから」


「え?ごめんなさい。重要なところが聞き取れませんでした。もう一度言ってもらえませんか?」


 翔太さんは顔をもっと真っ赤にして私から目をそらして言った。


「2度も言えるか、バーカ……。あとごめんって言うな」


「ごめん禁止ですか?」


「うん、禁止。言ったらバツゲームね」


「ば、バツゲームですか!?ち、ちなみにバツゲームの内容は……?」


「秘密に決まってるじゃん」と翔太さんは意地悪そうに言って人差し指で唇を押さえた。何故か見とれてしまう。




「さ、早く学校行こっか」


「あ、そうですね。早く行きましょう」


 そう言って私は歩き始めた。だから私の後ろで翔太さんが「やっぱり可愛いな、梨花ちゃんは」と言ったのは知らない。 


「翔太さん、何やってるんですか?」


「ううん。何でもない。行こ」


「はい」




 あの時翔太さんが「梨花ちゃんを独り占めしたいから」と言ったと知るのはもっと後の話。

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