表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
秘密の多い令嬢は幸せになりたい  作者: 完菜
第四章 幸せにつながる道

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

95/106

【4-5】

 キャスティナは、自分の部屋に戻り出掛ける準備を整えた。リズとリサが準備してくれたのは、とても綺麗な薄紫色のドレス。キャスティナによく似合う、可愛らしいドレスだ。


「綺麗な色のドレスね。これは、アルヴィンお兄様にプレゼントしてもらった物かな?」


 キャスティナは、鏡の前でクルリと回って見せながらリズとリサに訊ねる。


「そうです。とてもお似合いですよ」


 リズが笑顔で答える。


 今日は、リサにお供をお願いする。どちらかと言うと、リサの方が服飾などに詳しく、色々なアドバイスをもらえると見込んだからだ。


「じゃあ、リズ行ってくるわね。夕方には戻って来るわ」


 玄関まで見送りに来てくれたリズに声をかける。


「はい、いってらっしゃいませ。お気をつけて」


 キャスティナとリサは、玄関を出ると目の前に止まっている馬車に乗り込む。お父様が貸してくれた護衛が、エスコートして乗せてくれた。三人が乗り込むと、馬車が動き出す。


 キャスティナは、動き出した景色を見ながら次第にドキドキし始める。私、よく考えたら着飾って王宮にもっとも近い街に、一人で出掛けるなんて初めてだ。いつも、お出かけと言えばエヴァン様かアルヴィンお兄様と一緒だったし。何となく気になった店に、ふらふら入って見るような事してなかったし。今日は、目当ての物を買ったらゆっくりお店を見て回りたいなぁー。楽しみー。きっと、最上級貴族達の街だから、置いてある物は全部高級品だよね。見るだけで幸せになる。


 窓の外を見ながら、キャスティナはにこにこしていた。それを見てリサが声をかける。


「キャスティナお嬢様、なんだか凄く楽しそうですね」


 キャスティナが、窓の外の景色からリサに視線を変える。


「だって私、よく考えたら初めて一人で街に行くのよ。歩きながら色んなお店に入ってみたい。リサも見たいお店あったら言ってね」


「えっ?でもお嬢様、たまにエヴァン様やアルヴィン様とお買い物行きますよね?その時に、入りたいお店に入ってないんですか?」


 リサが不思議そうにしている。


「実は、お店に極力入らないし、商品見ないようにしてるの……。最初の頃に、楽しくって色々見たり手に取ったりしてたの。そしたら、知らないうちにエヴァン様やアルヴィン様って、私が気になった商品買ってるのよ……。そう言うつもりじゃないのに、お金使わせるのが申し訳なくて……」


 キャスティナは、その時の事を思い出すと残念な気持ちで一杯になる。ただでさえ、自分を受け入れてくれた時に、ありとあらゆる物を整えてくれた。いったい総額にしたらいくらなのか、考えただけで恐ろしい。キャスティナは、普通の令嬢と違ってお金を稼ぐ大変さを、身を以て知っている。金銭感覚も庶民寄りだし。こう言うのは、しょうがないと思いつつ、どうしても勿体ないと思ってしまう。


「お二人とも、お嬢様に喜んで貰いたいんですよ。普通に笑顔で受けとればいいのに。普通のお嬢様なら、喜んで買ってもらいますよ?」


 リサが、ふふふと笑っている。


「でもね、物には限度ってあるのよ。私、もう充分過ぎる程、色々プレゼントして貰ったし。自分で同じぐらいの物を、返せるならまだわかるけど……。私がお金を稼げるわけじゃないし……。男の人って、何したら嬉しいのかしら?そうだ、ブリュノ様。ブリュノ様は、彼女や妹から貰ったら嬉しいものとか、して貰ったら嬉しい事とかありますか?」


 キャスティナは、目の前に座っていた護衛騎士に声をかける。ブリュノは、20台後半だろうと思われる。エヴァンやアルヴィンほどではないが、女の子にモテそうな容姿をしている。よく考えると、キャスティナはエヴァンやアルヴィンが強すぎる為、二人がいると護衛は必要ない。夜会にも、殆ど出た事がないし男性との接点が殆どない。家族以外の男性と話す、いい機会かもとキャスティナは目をキラキラさせた。


 一方、突然話を振られたブリュノは驚く。目の前で話しているので、今までの会話は自然と聞いていた。聞きながら、噂には聞いていたけど本当にいい子なんだと感心していた。とても可愛らしい容姿と好奇心旺盛の瞳。アルヴィン様の瞳の色のドレスを纏った彼女を見て、どれだけ可愛がってるのかよくわかる。女性に全く関心を示さなかった、あのアルヴィン様がだ。今日は、自分はラッキーだったなと心の底から思う。偶々とは言え、こんなに魅力的な女性の護衛が出来るなんて。


「あの、どうぞブリュノとお呼び下さい」


 キャスティナは、ハッとする。そっか、屋敷に仕える方だから様はダメなのか……。


「えっと、ブリュノ……何がいいかしら?今日はね、取り敢えずハンカチに刺繍をした物を贈ろうと思って、ハンカチと刺繍糸を買いに来たの」


「お二人共、とても喜ばれると思いますよ。お嬢様から頂けるなら、何でも嬉しいですよ」


 優しい笑顔でブリュノが答える。


「そうかな?そうだといいけど。あの、また何かあったら相談に乗ってくれますか?私、家族以外の男性とお話って余りしたことなくて……お友達も少なくて」


 嬉しそうに、キャスティナがブリュノの顔を見上げる。ブリュノは、キャスティナの笑顔に面食らう。こっ、これは独身の護衛だったらヤバイやつなのでは……と心配になる。ちなみにブリュノは、既婚者で子供もいる。


「えーっと、私で良ければ喜んで。それと、キャスティナお嬢様。あまり、他の男性にキラキラの笑顔はダメですよ。アルヴィン様やエヴァン様に怒られちゃいますよ?」


 言われたキャスティナは、ハッとする。私、今キラキラしてたの?むっ無意識だし。学校に行ってたら、こんな感じで男性のお友達としゃべったりするのかしら?って浮かれてたから?はっ恥ずかしいっとキャスティナは、頬に両手を添えて真っ赤になっていた。


 それを見ていたブリュノは、なんだこの子は……可愛すぎるだろ……。大丈夫か?いや、大丈夫じゃないからアルヴィン様が兄なんだなっと妙に納得した。


 そして、またしてもキャスティナを心配して可愛がってくれる騎士がここに誕生した。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ