【3-25】
シンシアとのお茶会を終えたキャスティナは、部屋に戻る途中でフィルに呼び止められた。
「キャスティナお嬢様、丁度良かった。今、リオン様が帰宅されまして居間で休憩するそうです。少しでしたら、お話出来るそうです」
キャスティナは、シンシアと話して疲れていたが、話すなら早い方がいいと思い気合いを入れる。
「では、このまま居間に向かいます」
「大丈夫ですか?お疲れではないですか?」
「いえ、こう言う事は時間を空けない方がいいですから」
キャスティナは、笑顔をフィルに向ける。
フィルは、わかりましたと頷き仕事に戻って行った。
キャスティナは、居間へと足を向ける。扉の前に立つとリズがノックして扉を開けてくれた。中に入ると、リオンがソファに座って寛いでいた。
「リオン様、休憩中失礼致します」
キャスティナは、リオンに向かって声をかけた。
「いえ、こちらこそゆっくり時間が取れなくてすいません」
リオンは、キャスティナと初めて話した時以来、キャスティナに対して話し方が丁寧になった。始めは怖い雰囲気だったが、今ではとても友好的だ。本当の姉と弟のように見える。
キャスティナは、リオンの向かいのソファに腰かけた。
「リオン様、色々迷惑かけてごめんね。今回の事で、何か言いたい事とかあったら遠慮なく言って欲しくて。色々、気になることあるよね?」
キャスティナは、申し訳なさそうにリオンに向かって話した。
「無事に帰って来てくれたので、僕は別にそれ以上は·····」
「そう?なら、私が町で働いてた事に対して感想は?淑女として恥ずかしいとか思わないの?」
キャスティナは、遠慮なく質問する。
「恥ずかしいなんて思いませんよ。むしろ貴族の令嬢が、労働してお金を稼いでた事にびっくりして感心しましたよ」
リオンは、恥ずかしいなんて思う訳ないです。と激しく首を横に振っていた。キャスティナは、その姿を見て何だか拍子抜けしてしまう。
「何だか、本当にコーンフォレス家のみんなは、私に甘すぎるわね」
キャスティナは、言いながら笑ってしまう。
「キャスティナお義姉様は、苦労してきたはずなのに、それを全く感じさせずにそこにいるんです。僕は、お義姉様から学ぶ事は多いと思ってます。だから、色々教えて下さい。ウィードの町にも行ってみたいです」
リオンは、曇りのない瞳でキャスティナを見ている。キャスティナは、可愛いと思ってしまう。言ったらきっと怒るかなと微笑む。
「ウィードの町は、難しいかもだけど·····一緒にお買い物くらいはいいかもね。今度お義母様に聞いてみよう」
リオンは、それを聞いて嬉しくなった。上の兄弟に憧れていたから。その後暫くして、リサがリオンに時間ですと言いに来た。
リオンは、絶対約束ですよっと言って居間を出ていった。
リオンが出ていった扉を見ながら、キャスティナは実の弟のルイスを思い出す。元気にしてるかしら·····。ルイスと出来なかった事を、リオン君がしてくれるのか。私って本当に恵まれてるな。自分が幸せ過ぎて怖いくらいだった。




