【3-15】
「僕が送って行くよ」
アルヴィンが、名乗りでる。
「キャスティナ、癒し系魔法の話とサディアス殿下の話はここだけの話にして欲しい。コーンフォレス家の者達に何か言われたら、四大公爵家から口止めされたと言えばいい」
アルヴィンが、キャスティナに向かって口止めをした。キャスティナは、それを聞き安心した。キャスティナは、その言葉を聞きたかったのだから。
「アルヴィンお兄様。ありがとうございます。一人で抱え込まなくていいんだと思うと、凄く楽になりました」
キャスティナは、ホッとしたように笑顔を向けた。
「では、行こうか」
「デズモンドお祖父様、ローレンス様、本日は話を聞いて頂きありがとうございました」
「ああ。気を付けてな。また近々ゆっくり話そう」
「こちらこそ、貴重な話を聞かせてもらってありがとう。またおいで、キャスティナ嬢」
キャスティナは、二人にお辞儀をしてグランヴィル邸を後にした。
キャスティナとアルヴィンは、馬車の中で少しだけ話をした。
「キャスティナ、エヴァンの傷を癒してくれてありがとう。エヴァンから騎士の仕事を捨てさせなくてすんだよ」
アルヴィンがキャスティナに心から感謝の意を示した。
「いえ。やっと、役に立てて本当に良かったです。また必要になったら呼んで下さい」
キャスティナは、笑顔で答えた。
キャスティナは、コーンフォレス家が近づくに連れて緊張が増していた。みんなにどんな顔して会えばいいのかわからなかった。怒られるのを覚悟で出て行ったが、やっぱり怖いものは怖い。
馬車が到着したのか、止まった気配がする。キャスティナは、アルヴィンのエスコートで馬車を降りる。降りた目の前には、久しぶりに見るコーンフォレス家の屋敷があった。キャスティナは、深呼吸をする。
「大丈夫だよ」
アルヴィンが優しい眼差しで手を繋いでくれた。アルヴィンが屋敷のインターホンを鳴らす。誰かが、急いで駆けてくる音が聞こえた。玄関の扉が勢いよく開く。
「キャスティナ!」
玄関に出て来たのは、必死の形相のエヴァンだった。
「エヴァン様」
キャスティナは、怒られると思って目をギュッと瞑って俯く。
「心配したんだよ!無事で良かった」
エヴァンがキャスティナを、凄い勢いで抱き締める。抱き締める力が強すぎて痛いくらいだった。キャスティナは、抱き締められた驚きと久しぶりのエヴァンの匂いに嬉しくて涙が滲んでしまった。
「エヴァン様、勝手にいなくなってごめんなさい」
キャスティナが、必死に謝る。
「エヴァン、とにかく中に入ろう。みんなも待ってるんだろう?」
アルヴィンが、エヴァンに中に入るように促す。エヴァンはゆっくりキャスティナから離れると、キャスティナの手を取って屋敷の中に招き入れた。




