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秘密の多い令嬢は幸せになりたい  作者: 完菜
第二章 貴族としての生活

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【2-28】

 季節は夏へと移り変わっていた。キャスティナが、コーンウォレス家にやって来て4ヶ月が経とうとしている。なんだか、まだ4ヶ月なのね·····。色々な事がありすぎて、1年ぐらいの密度だった気がするわ。


 エジャートン家を出てから、両親に会う事は1度もなかった。キャスティナは、こんなに毎日が平和で大丈夫なのだろうか?とふとした瞬間に頭の中に不安が募る。毎日、義母に罵られていた事を思い出すと、もうあの状況が耐えられる自分ではないだろうと思ってしまう。コーンフォレス家を取り巻くみんなが優しくて、キャスティナはすっかり弱くなってしまった。義母の顔を思い出すだけで、嫌悪感が湧いてしまう。エジャートン家で過ごした日々は、キャスティナにとってすっかりトラウマになってしまった。もし、コーンウォレス家から出るような事があっても、実家には帰りたくないと切実にキャスティナは思っていた。


 悶々とした日々を過ごしていたキャスティナに、二つのニュースが舞い込んで来た。一つは、エヴァンとの結婚の日取りが正式に決まったとの事。来年の春に正式に決まった。これで、本当にエジャートン家に帰る事はないのだという安堵。だが、キャスティナは何となくこのまま何事もなく事が運ぶとは思えなかった。キャスティナには、エヴァンに言っていない事が沢山あった。今まで誰にも言った事がない、自分の大切な一部分。キャスティナは、自分の表の部分しか出していない。裏の部分を出すことなく、このまま進んでいいのかキャスティナにはわからなかった。


 そしてもう一つは、皇太子妃からお茶会の招待状が届いたのだ。王室とは、あの夜会以降接点もなくサディアス殿下にもまだ紹介されていない。キャスティナは、すっかり忘れかけていた。今回なぜ、皇太子妃からの誘いが来たかと言うと·····。


 第一王子であるサディアス殿下の正妃で、セリア・ロバート・フォルトゥーナ様はアイリーンの実の姉なのだ。アイリーンが領地に戻る前に、一度ゆっくりお茶会をしましょうと。ついでに、アイリーンの義妹になるキャスティナにも会いたいわという事らしい。


 この事実を知った時、キャスティナは本当に驚いた。最近まで、平民のような生活を送っていたキャスティナには、雲の上の存在だった。そんな方と、まさか自分が関り合いになるなんて思ってもいなかったからだ。それにいつも優しくてお義姉様と慕うアイリーンが、とても高貴な貴族なんだと思い知った瞬間でもあった。


 セリア殿下は、キャスティナが唯一王室の中で尊敬している方だった。キャスティナが、デビュタントの時に、王室の中で一人だけ真剣に令嬢達に視線を送り、目が合うとにっこり微笑んでくれた。いつか、王妃となり自分が祝福を贈る立場になるんだという自覚が垣間見えた気がした。


 そんな素敵な皇太子妃の妹が、アイリーンだと知った時、キャスティナはストンと自分の中で納得した。こんなに素敵なお義姉様の実の姉だもの、それはそれは素敵な方に違いないと。


 夏が終わりに差し掛かる頃、そのお茶会が開催された。


 参加者は、セリアとアイリーンとキャスティナの三人。本当に身内だけのささやかなお茶会なので、気兼ねなく来てねと言うセリアからの気遣いが感じられた。


 今日のキャスティナのドレスは、オレンジでリボンがアクセントになっていてとても可愛らしい。メイクも、目を強調させて可愛らしさを全面に押し出す。義理とは言え姉妹での参加なので、リズとリサに妹らしく可愛さを全面にアピールしましょうと言われた。最近は、エヴァンに合わせて少し大人っぽさを意識していたので、子供っぽくなりすぎじゃないかと心配する。リズとリサにもそれとなく告げるが、ただ可愛いだけです。と押し切られてしまった。


 リサと一緒に玄関に降りて行くと、アイリーンが既に待っていた。


「アイリーンお義姉様、お待たせしました」


 キャスティナが、申し訳なさそうに言った。


「私も今来た所だから大丈夫よ。今日のキャスティナは、とっても可愛いわね」


 アイリーンが、キャスティナを見てニコニコしている。


「リズリサが、姉妹でのお出掛けなので妹っぽく可愛くしようって言われて·····。子供っぽくなり過ぎじゃないですか?」


 キャスティナは、少し不満そうだ。


「リサ、とってもいいと思う。やっぱり、キャスティナは可愛いのよ。きっと、セリアお姉様も気に入ると思うわ」


 アイリーンは、リサを誉めた。


「ありがとうございます。アイリーン奥様。では、お二人とも行ってらっしゃいませ」


 リサは、挨拶して二人を送り出した。



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