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秘密の多い令嬢は幸せになりたい  作者: 完菜
第一章 人生って何が起こるかわからない

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15/106

【15】

 お昼を食べて、馬車に戻る。キャスティナは、花畑に降りてみたかった。窓から外を見つつ名残惜しげに、馬車が出発した。帰りも、エヴァンと隣り合って座る。


「まだ、見たかった?」


「いえ、大丈夫です。それより、エヴァン様に言いたい事が‼」


「なんだい?」


思いきってキャスティナは、口を開く。


「あ、あの。エヴァン様、距離感が近いです。私、男の人に慣れてなくて緊張とドキドキでうまく話せません。もうちょっと離れたいです。隣じゃなくて、向かい合って座りたいです」


「それは、ダメだね」


「えっ?!」


 まさか、拒否されると思わなかったキャスティナは目を丸くして驚く。


「これでも、我慢してる方なんだよ。だからそれは却下。この距離感は、キャスティナが慣れてね。でも、ドキドキしてくれてるならうれしいな」


 定番になった有無を言わせぬ笑顔で、エヴァンがにっこり頬笑む。


「もう!エヴァン様、またその笑顔‼ずるいです」


キャスティナがちょっと離れて距離を取る。


「怒ってるキャスティナも可愛いよ」


「エヴァン様、意地悪です」


 キャスティナは、怒ってプイッと横を向く。


「クスクスクス。キャスティナは、表情がコロコロ変わって飽きないね」


 キャスティナは、エヴァンの言葉は聞かなかった事にして窓の外に目を向ける。馬車の揺れとポカポカした日差しが気持ちよくて、窓にもたれて眠ってしまった。


「怒ってそのまま寝ちゃうなんて、可愛い過ぎる。余りに警戒心がないのも心配になっちゃうな」


 そう言ってエヴァンは、キャスティナの頭に手をやって自分の肩に傾かせる。手はそのままキャスティナの腰に添える。


「この距離感が定位置になるのは、いつかな?」


 エヴァンが、小さな声で呟いた。



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