彷徨う箱庭、何処かの辺境。(1)
私達の根幹、その正体。
「まずは、この日記とも雑記ともつかない乱文を読んでくれた全ての存在に感謝を。」
感謝を述べて、心を落ち着ける。
「私は羊印の愉快犯、一応はこの場を借りて辺境の日常やらを書き込んでいる。」
これから語るのは、世界を進めるのに必要な事。
「そもそも私を含めた辺境の住人や、辺境そのものについては読者諸君には何もわからないだろう。」
当然私は読者諸君を知覚しているとも、その為の愉快犯だから。
「これまでの話は出来たから改めて、我々辺境の住人と辺境について説明したいなと思う。」
椅子に座ってコーヒーを一口、タバコを吸いたいけど我慢。
「最初に、どこから説明しようか。」
説明は苦手できっと長くなるから、気をつけて。
――――――
そもそも、辺境っていうのは孤立してるからそう言ってるだけで、その実態は存在しないんだ。
辺境も、屋敷も、住人も、羊も……そして私もね。
始まりはよくある話、孤独を感じてた少年が友人を作ろうとして、それが上手く行かなかった。
独りで遊ぶけど寂しくて、友人を空想したのが始まりだった。
最初の友人は憧憬。
なんでも卒なくこなし、洗練されていて、柔らかな物腰で自分を励ましたり、叱咤してくれる。
次の友人は勇敢。
喜怒哀楽がはっきりしていて、共感してくれて、自分の代わりに怒ったり、悩みを聞いて笑い飛ばしたりしてくれる。
次の友人は静寂。
本を読んだり静かに過ごしたい時、ただほっておいて欲しい時に何も言わずただ側に居てくれる。
コレが屋敷とその住人の始まり。
なんてことない話でしょ?