暗転、円卓と椅子だけの場所
ふわふわり
「無茶しましたね。」
どこか咎めるような色を含めた言葉をかけられて、肩をすくめて立ち上がる。
振り向けば周りの黒に同化した燕尾服、屋敷を出てくるとは珍しい等とつまらない感想を一つ。
「でも、無駄だからねぇ…背景の説明なんてつまらないだけですしぃ?」
ニィッと口が歪むのを自覚する、悪癖だがこれでこそ愉快犯とも思うのでなおさない。
「貴方は…いえ、私達が言えた事でもありませんね。」
「本当に珍しい、君そんなに感情出せたんだねぇ?そういうのは二葉の役目じゃあないかーい?」
苦いものを口に含んだような表情を浮かべる一葉にそんな言葉を投げながら、思考を巡らせる。
「もう会えない、いえ会わないつもりだったんですけどね。」
何もない所に目線を向けて、いや…そこにはさっきまで居たのだけれど。
懐かしいような、寂しいような複雑そうな表情の中にある物がとても眩しくて、ため息が漏れそうになる。
「まぁ、もう子供じゃあないけどねぇ。」
「それでも、再会自体は嬉しい事です…本当に。」
あぁ、本当に…強い感情の動きは素晴らしい、かつての彼はそうだったんだよねぇ。
無言で過ごす暗闇は…何故だが心地よい物だった。
もう一度子供に戻ってみたいですね?




