新たな見聞
序章
神という存在を信じますか??
ギリシャ神話やキリスト教。神道等、世界広く神という存在がおおよそ認知されている。しかしながら信じるか信じないかは人次第。日本人なんかは都合のいいときに神を引き合いに出している。私もその一人だった。ついこないだまでは。
そんな神に対する考えを経て今にいたる訳だが、どうだろう。朝起きたら目の前に宙にプカプカと浮いている奴がいた。しかも床と逆さまで「ヤホー!朝だヨーン!!死神様だヨーン!!!」とかいってる。どうやら私はまだ悪い夢を見ているようだった。もう一眠りしてこのたちの悪い夢から覚めよう。そう決めて掛け布団を手にとり再び寝ようとしたときだった。
「ちょちょ、待ってよー夏香ちゃーん!僕死神だよ死神様だよ。そんな邪険に扱うと祟るよー?いいの?ホントにいいの??地獄に堕ちちゃうんだぞー」
そう、私の目の前にいるこの自称死神(仮)がうるさいのだ。せっかく学校という憂鬱から解放された翌日、すなわち土曜の素晴らしき朝にこのうるささ。この仕打ち。あぁ、この世に神はいないのか。。。はぁ。。。
「いやいや夏香ちゃーん?私は神ですからね、一応」
「ちょっとまた勝手に人の心覗かないでよ。」
「いや、あのね見えちゃうんですよ。ええ見えますとも。だって、神様だもーん!夏香ちゃん信じてくれないけどさー。」
いやそれは信じられなくても仕方がないことではないだろうか。急に前に現れては「私死神です。あなたの心見えます。あなたの寿命が見えます。あなたのすべてが見えます」なんて胡散臭いこと言われたら信じる気も失せる。唯一信じられる箇所があるとしたら浮かんでいることぐらいではないだろうか。
「そんなこと思われてもなー。」
浮かびながら頬を膨らませ悪態をつく自称死神(仮)。そんなとき私はふと気になった。
「あんたって私、というかそこらへんの人とかが考えていることとかその他もろもろの全てがわかるのよね?」
「そーだよー!まぁ、分かるのは考えてること以外もだけどねー。」
「それ以外って例えばどんな?」
「んー、身に付けているものとかかな」
(へー、ん??)
嫌な予感がした。
「今日の私のパンツの色は?」
「ピンク!しかも花柄のかわいい。。。」ぐぼぉ!!!!!
ドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!!!
折檻完了。スケベなやつは殺しました。活きがよかったのかまだピクピクとうごめいているが、まぁそのうち動かなくなってこの夢は覚めるだろう。おやすみ。
「死神だから殺されないけどね。全て見えちゃうのも大変。。」
バゴーン!!
「グハァ!!!」
「そこで黙ってな。とりあえず次私が起きるまで!!」
「は、はい。」グリグリグリ
足で死神(仮)を踏みつける。そのあと再び寝ようとベットにはいり私はほどなくして寝付いた。そしてこの数分で分かったこと。。。
死神は神であるがゆえに死にはせず、殺されもしないけども肉体的、精神的ダメージは被る。それゆえ、簡単にボコれたりできる場合もある。すなわち死なない以外は人間と変わらないサンドバッグということ見たいです。