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25話 居場所

ご静聴のほどよろしくお願いします。

俺は窓口受付嬢のエイミーさんを探しに街に出た。

そして、1人の女の子と出会う。

可哀想なことにその子は奴隷だった。

汚れきった身体にボロボロの服・・・。

俺たちはその子に服をプレゼントした。

しかも、メイド服!!!!

ケモ耳少女にメイド服が似合わないはずがない!!!!

俺はそう確信していた。



俺たちは本来の目的を忘れてこの子の相手をしていた。

話によると、帰る場所がないらしい。

パーティーメンバーに加えていいが、まだ年齢が達していない。

彼女は12歳。冒険者になれるのは15歳からだ。

俺はどうしたものか、と考えていた。

考えた末、とりあえずギルドに連れて行くことにした。

彼女は12歳ながらも相当、頭がきれる。

確か、エイミーさんが、

「若くて、頭がきれる子が助手に欲しいなぁー」

と言っていたっけ。若すぎるけどいいかな。

・・・ん?エイミーさん?

ーー そうだった!エイミーさんを探すために街に来たんだった!!!

俺はやっと本来の目的を思い出した。

そう思い、探しに行こうとする。

ふと、彼女の様子を見ると、疲れているように見えた。

当然と言えば、当然だな。

この世界の奴隷は休みというものを貰えない。

一日中、主人のいいなりだ。

過酷な労働・・・不眠不休・・・。

なかには、死んでしまう人もいる。

俺はエイミーさんを探すのは後回しにして、まずは彼女の休養と取らせることが最優先に考え、ギルドへと戻った。

俺は彼女をおんぶすることにした。

ヒョイっと簡単に持ち上がった。

・・・とても軽かったのだ。

12歳とは思えない体重の軽さ・・・。

俺はこの世界の残酷な部分に触れた瞬間だった。



歩き途中に俺はふと思った。

彼女の名前を知らない。

この機会に彼女の名前を聞くことにした。


「君の名前聞いてなかったね。教えてくれるかな?」


「・・・私はケイリー=ブライグと言います」


「ケイリーちゃんか。よろしくね。・・・君の主人・・・いや、元主人と言った方がいいのかな?名前はなんているの?」


「ベリン=ラグドール・・・です」


「・・・ラグドール?どこかで聞いたことあるようなないような・・・」


エマがボソッと口走った。


「エマ、知っているのか?」


俺はエマにそう質問したが、どうやら思い出せないようだった。だが、俺はこの時、少し嫌な予感がしていた。

そうこうしているうちにギルドへと着いた。


「お帰りなさい」


と聞き慣れた声が聞こえた。

エイミーさんだった。

どうやら、エイミーさんは街に買い物に出かけていたようだ。

ーーどこかですれ違いになったのかな?

まぁ、今はどうでもいいことだ。

それよりも・・・。


「エイミーさん!」


「なんですか、タケルさん」


「そう言えば、前、助手が欲しいとか言ってましたよね!?」


「はい、言いましたけど・・・それがどうかしましたか?」


俺はケイリーちゃんをエイミーさんに見せつけた。


「どうですか!」


「・・・どうですかと言われても・・・」


エイミーさんは少し困惑しているようだった。

無理もないか。

若いと言ってもさすがにこれは若すぎる。

でも、ここで引き下がっても、ケイリーちゃんの居場所を見つけることが出来ない。

俺は今までの経緯を全てエイミーさんに告白し、なんとかここで働かせてくれないか、と頼み込んだ。

どうやら、俺も頼みに折れたようで、


「・・・はぁ。分かりました」


とOKしてくれた。

しかし、条件があるようで、エイミーさんは1枚の紙を出した。


「これが出来なければダメです!」


俺はその紙を覗いた。

・・・なにこれ!?暗号!?

それは、とてつもない内容だった。

だが、これを全てケイリーちゃんはなんなくこなしてしまったのだ。

これにはエイミーさんもびっくりしている。

当然、俺たちもびっくりしている。

これを熟せるようになるには最低でも1.2年の年月は必要だ。

しかし、一瞬でしかも12歳でこのハードな内容をこなしてしまうとは・・・。

ーー 若いって素晴らしい!!!

あっ・・・、そういえば俺も若いんだった!!!


こうして、無事にケイリーちゃんをギルドで働かせることが出来た。

そして、ここがケイリーちゃんの新しい「居場所」になるのだ!



俺は本題へと戻り、依頼書をエイミーさんに見せた。


「あの、これ受けたいんですが!」


「あ・・・、はい、いいですよ!!」


ん!?なんだ今の「あ・・・」は。

まぁ、いい。

これでクエスト受けることができる!

俺たちは早速、準備をして6階層へと向かった。


ご視聴ありがとうございます。

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