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22話 お詫び

ご静聴のほどよろしくお願いします。


今回は〈トライド〉視点です。

カタカナではなく平仮名で。

俺は〈トライド〉の宿探しに苦労していた。

だが、国王兼、元王国最強の騎士王でもあるウィリアム=ベルダン様のお城に泊めてもらえるようになった。



3日前、私は王国の騎士たちに捕らえられ、連れていかれてしまった。当然、「死」を覚悟した。冒険者たちには危害を与えてはいなかったが、恐怖を与えてしまったのだから。仕方のないことだと思い、私は自分を納得させた。


城に到着するないなや、騎士たちに先導させ、国王であるグレイシア=ベルダン様の前へと連れていかれた。


ーー どんな罰が下されるのだろうか。


どんな罰が来ようと全て受け入れるつもりだった。


私は罰が下される前に一言謝った。

私の声なぞ聞こえないとは思うが・・・。


「すみませんでした。冒険者の皆さんを怖がらせてしまって・・・。どうか私に罰を・・・」


すると、国王は「よいよい。頭を上げるのだ」と言ってきた。


ーー えっ?なぜ、私の声が聞こえるのだ!?


私は疑問に思いながら、国王に言われた通り、頭を上げた。


「どうしたのだ?そんなキョトンとした顔をして。・・・もしかして、なぜ声が聞こえてる?と思ってあるだろ」


私は上下に首を振った。

すると、国王は耳からほじり出した。

その手には米粒ぐらいの大きさの機械らしきものがあった。


「これはモンスターとの会話を可能にさせる装置だ。名を〈モンスターと会話できる装置〉・・・嘘。特に名はない」


国王は笑いながら話している。

最初は怖い方かと思っていたが、以外と気さくな方だったことに私は安心した。


「聞こえているならば話が早いです。どうか私に罰を与えてください」


「なに、バカなことを言っている。罰を与えられるべきものは私たちだ。お主のことを何も調べずに国家指定の討伐モンスターにしてしまった。本当にすまなかった」


すると、国王は頭を下げた。

周りにいる騎士たちは国王の姿を見て戸惑っている。

モンスターに頭を下げるなんて普通じゃ考えられない。


「ぜ、全然大丈夫ですよ。だから、もう謝らないでください」


国王はなにかお詫びをしないと気が済まないようで、私を食事に誘ってくれた。それも国王と私、2人きりで。

当然、周りには危険です。せめて付き人を、と言われていたが、国王はそれを拒否した。


ずらずらと長いテーブルに料理が盛った皿が並べられる。

どれも美味しそうなものばかりだった。

私は「いただきます」と言い、料理を食べた。

凄く美味しい。一口食べただけで口の中に料理の香りや味が全体へと伝わった。

こんなに美味しいものは初めて食べた。

私は自然と箸が進んだ。


食事が終わった。

すると、国王はこんなことを言ってきた。


「お主の強さに免じて、どうだね、私の護衛役にならないか?」


国王の護衛役なんて、とても光栄に思った。

だが、タケルに恩がある。

それもその生涯で返しきれないほど。

今の私はタケルのおかげでこうして冒険者たちと触れ合う事が出来ている。


「凄く光栄に思います」


「では、私の護衛役に・・・」


「いえ、断らせていただきます」


「なぜかね?」


「国王様の護衛役だなんてとても光栄に思います。しかし、私に恩を返さなければいけない人がいます。この命に代えてでも」


「・・・そうか。それなら仕方がないな」


国王は諦めてくれた。

その後、今までのお詫びとして宿と食事の提供などをしてくれた。宿のなかった私にはとてもありがたかった。


ーー国王様はとても優しい方だった。


そして、3日間お世話になり、タケルたちと合流した。

ご視聴ありがとうございます。

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