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20話 認識を変える その2

ご静聴のほどよろしくお願いします。

俺たちは〈ジャイアント・トライド〉に対する冒険者たちの認識を変えるため、ある作戦を実行したのだった。



「〈ジャイアント・トライド〉さん。準備は出来ましたか?」


これは岩の陰に隠れた。


「出来マシタ」


「じゃあ、早速お願いします」


俺がそう言うと〈ジャイアント・トライド〉は周辺にいるゴブリン、6体を魔法を使い狂暴化させた。

すると、ゴブリンたちは我を失った。

今にも誰かに襲いかかってきそうだ。

そして、近くに冒険者の声がした。

複数いる。きっと、あの4人組の冒険者だろう。

少し手荒になってしまうが、〈ジャイアント・トライド〉のためだ。そう俺は自分に言い聞かせた。


その後、ゴブリンたちはその4人組の冒険者を見つけ襲いかかった。

4人組の冒険者は油断していたのか、突然のことに驚き、自分を見失いかけている。

予想通り、今にもやられそうな勢いだった。

俺はそれを見て〈ジャイアント・トライド〉に合図をおくった。

合図は右手を振り上げるという簡単なものだ。

〈ジャイアント・トライド〉はその合図を確認すると4人組の冒険者の前へと走り、そして、ゴブリンたちをあっという間に蹴散らした。

やはり、〈ジャイアント・トライド〉は凄まじい魔力と腕力を持っていた。


4人組の冒険者は何が起きたか状況を理解出来ていなかったが、

これだけは分かっていた。

この〈ジャイアント・トライド〉が俺たちを助けた、と。


すると、4人組の冒険者は〈ジャイアント・トライド〉へと認識を変えはじめた。

そのうちの1人の冒険者はこう言う。

「なぜ、この心優しい〈ジャイアント・トライド〉が国家を挙げての討伐モンスターなんだ!」

と。

さらに続けてもう1人がこう言う。

「これは〈ジャイアント・トライド〉への認識を改める必要がある!急いで街へと戻り、全ての人々にこのことを伝えねば!」

と。


これで全ての人々は認識を改めてくれるはずだ。

でも、あの4人組の冒険者を襲ったのはある種、俺なのだ。

・・・心が痛い。

だが、これで〈ジャイアント・トライド〉が救われる。


無事に作戦は成功した。

俺はホッとした半面、少し罪悪感が生まれた。


俺は〈ジャイアント・トライド〉に方を振り向いた。

すると、〈ジャイアント・トライド〉の眼には涙があった。


「おいおい。泣かないでください。〈ジャイアント・トライド〉さんには涙は似合いませんよ!」


俺は〈ジャイアント・トライド〉に涙を拭いさせるため、

ポケットからハンカチを取り出した。


「・・・ツ・・・ツイ、嬉シクテ。本当ニ有難ウゴザイマス・・・」


〈ジャイアント・トライド〉は俺が渡したハンカチで涙を拭った。

どうやら、喜んでくれているようだった。


「俺たち、友達になったんだから、今から敬語は無しにしよう!」


「ソ、ソウデス・・・ソウダネ」


その後、なんて呼び合うかを決めた。

俺は〈ジャイアント・トライド〉を〈トライド〉と呼び、

〈トライド〉は俺のことを〈タケル〉と呼び合うことにした。



「なぁ、〈トライド〉」


「なんだ?タケル」


俺はあることを決心した。

それは・・・、


「俺たちと一緒に旅をしないか?別に嫌っていうなら断っていいけど」


ということだった。

俺は〈トライド〉のことをあまり知らない。

どんなことをやるのが好きで、どんな食べ物が好きなのか・・・なにも分かっていない。

もし、一緒に旅を出来るのであれば、〈トライド〉のことを知りたい。

それに、もう1つ理由がある。

それは、例え、あの4人組の冒険者がこのことを伝えたとしても、まだ、恐怖心がある者は少なからずいるだろう。

俺たちと〈トライド〉の触れ合っている姿を見てもらえれば、その者たちにとってプラスになるだろう。


ーー 一緒に旅をすることは出来るだろうか。


すると、〈トライド〉はこちらを嬉しそうに見つめている。

そして、


「ゼヒ、ソノ旅路ヘト連レテッテクダサイ...!!!!」


交渉が成立した。


俺たちのパーティーに強くて冒険者想いの心優しいメンバーが加わった。


ーー でも、どうやって宿に止めようか。

この大きな身体を泊められるだろうか。

・・・ まぁ、いっか!なるようになるさ!

ご視聴ありがとうございます。

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