風の力となる者(中)
詩織「こちらの世界にきた時は本当に驚いたけど、ゴーレムは突然現れるわ。どうやって現れるかは分からないけど。」
貴樹「まぁ、神崎君も早く能力を覚醒させることだね。100%とは限らないけどね。ただの人の場合もあるし。ハハ。」
詩織「緋村君!」
貴樹「あ、ごめんねー。僕、うっかりしちゃってよ。まぁ、いいじゃん。僕先にアジトに帰るねー。」
そういうと、貴樹は足に炎を宿して空を浮き飛んで帰っていった。
詩音「緋村君、ここへやってきた人間が同じ年の子だから、浮かれていじわるになってるの。ごめんね。いつもはいい子なんだけど。」
「いえ。大丈夫ですよ。」
俺は、それよりも貴樹は言ってた内容が気になったが、黙っておくことにした。
詩音「それじゃ、私達も行きましょ。」
「うん。」
俺と詩音ちゃんは、歩いてアジトに向かうことにした。
とはいえ、アジトの存在・・・、正直怖い気もするが、今は仕方ない。
アジトについたら、元の世界に帰る方法も教えて欲しいし、能力っていうのはどうしたら手に入るのか教えて欲しいからな。
歩く途中、詩音を恐れる人を見かければ、逆に感謝して近寄ってくる人もいた。
そんなに多くはないけど、たくさん人がいた。
仕事せずに何ボーッとしてるんだ?とか思ったが、ゴーレムが頭に浮かんだので、何となく理由が分かった。
詩音「後、もう少し歩いたらアジトだからね。」
「うん。笹川さん。でも、この道・・・。」
詩音「私の事、呼び捨てでいいよ。私も神崎君の事、慎太君って呼ぶから。せっかくの仲間だもんね。」
「う、うん(照)。」
(やべぇ。急にそんな事言われたら緊張するわ!)
って思った。
「あれ?」
俺は、アジトが近づくにつれ段々見た事のある道なりにたどり着いた事に気づいた。
「ここって青木ヶ原樹海じゃ・・・。」
詩音「そうよ。アジトは青木ヶ原樹海の真ん中の森の奥にあるの。」
「そっか。」
何となくアジトを青木ヶ原樹海に拠点として置いた意味を何も聞かずに理解できたので、何も言わなかった。
っと、突然、目の前に大きな音で上空から降りてきた。
ゴーレムだ。
「か、いや、ゴーレムだ!」
詩音「この青木ヶ原樹海は街と違って批判にでてくるの気を付けて。」