だんだんと・・・
歩遊道を降りるとだんだんと街が見えてくる。
車の通りも同時に見えてくる。
今日は諦めて、おとなしく家に戻ろうと思う。
「あれ?」
歩遊道を降りた瞬間、とてつもない違和感が押し寄せてきた。
何かが違う。
道路に車が全くと言っていいほど走ってないのだ。
まだ太陽が昇ってる時間帯だ。
だんだんと家の方へ向かって歩いていくが、誰とも会わない。
「どうなってるんだ・・・。今日は、休日だったっけ?それとも祝日か?」
俺は違和感がありながらも、あまり深く考えずに自分の家へと向かった。
しばらく歩くと家の近くまで着いた。
(ここまで誰とも会ってない・・・。どうなってるんだ?)
疑問に感じながらも腹が減っていたので、とりあえず家に戻った。
「ただいまぁ。」
って言っても誰もいないのだから、返事があるはずがない。
虚しいだけ。
小さな部屋・・・。1ルームの6畳間ぐらいの部屋だ。
自殺しきれなかった俺は、いつものように風呂に入り、メシを炊いた。
その間にテレビをつけて、ボーッとするだけ。
そんな所だ。
「今日は何の番組してるかぁ・・・。」
俺はいつものようにテレビをつけた。
別に決まった番組はなく、面白そうな番組なら何でも見た。
「ん?何だこれ?」
テレビをつけると、ライブ中継らしき内容の番組が流れた。
一人の男が手から、炎を出して、人を何人も燃やしている所だった。
俺は何かのドラマだと思い、ボーッとテレビに見入った。
途中、ご飯が炊けたので、おかずを作り、食べながらテレビを見た。
それからちょこちょこ風呂に入ったり、洗濯をしたり、動き回った。
そうだな・・・。
あれから、4時間は確実に立つ。
でもテレビの内容が終わらない。
「やけに長い番組だな。ハハハ、本当に生中継で事件が起きてたりしてな。もういっか。寝よ。」
いいかげん同じ内容のドラマにも飽きた俺は、テレビを消して布団に入った。