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最愛は青より青く  作者: 合歓木
1/1

夏蜜柑

「飛べなきゃダメなんだ」

走ることをやめたサカナは一言。

ぼくには何が出来るんだろうな。考えたってなんにも浮かばない。

時雨れてきた。


「サカナよお、おまえ今日の飲み会行くだろう。」

いつそんなことを言ったよ。

ああゆう場所は好きになれないっていっただろ、マネキンが群れてキモチワルい。

「僕は。いかない。気乗りしないし。それにー。」

「おーいサカナァ、なにしてんだあ」

ほらね。

「ネコと約束があるからさ。」


「何話してたんよ。」

「世間話。」

ふうん。そういって僕らは歩き出した。空はトマトジュースみたいな色してた。

なんか沈みそうな感じだな。

なんだってこんな時期から考えなきゃ行けないんだ。

まだこんな歳なのに、それが先のことなんてわかるかよ。

ああ、この感じ。足が重い、崩れちゃいそうだ。

ねえ、

こんなぬかるみ歩きたくない。ぜったいダメだろこれ。

ねえ、

進みづらいし、きもちわるいよこれ


「ねえ聞いてんのかよ!」

あ、まただ。

「ごめん、何の話だっけ」

「まーたこれだ、だからさ旅行にいこうっていってんの!」

「え、そんなひまないじゃん。」

「ばーか、来週からGWだろー」

そんなものもあったな。

「だから行こうや」

なんでそんなに行きたがってるのか

「いい?海いってー、山いってー、川いってー海いってー 

海に二回もいくのか。それはこまるな

「ねーいいっしょ?いこうや」

目が輝いてる。僕ですら気づくような輝き。まぶしいよ

「...いいよ。」

「やった!、サカナと旅行!」

そんなに嬉しいもんかな。


「ただいま」

だれも返事しない。当たり前だよな

冷蔵庫開けて牛乳をとりだしコップへ注ぐ。今日でこの動作何回目だよ。

平凡な人生なのかな。なんか出来るはずなんだけど

翼はえないな。


「やっほーまった?」

「いや、まったく。」

まぁいつもこんなもんだ。ネコはいつも10分遅れる。慣れたよ

「さぁいこうや」

ふたりで出掛けるのも久しぶりだな。海だっけ

「なー音楽かけていいか」

最初から拒否権なんてないくせに。まあいいや。どうせ僕の運転だ

「こんな夜中に出発しなくてもよかったんじゃないのか。」

「これがいいんじゃん。夜逃げ?みたいでさ。」

悪い冗談。

「さていきますか。しゅっぱーつ」

やれやれ。お前がいうんじゃねーよ。

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