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2 黒猫

『あの猫は、もともと死んでいたんだよ。だから探すことは、難しい。

 会わせてやれないこともないけど。結構つらい。』

 

 えっ。

 あの男の子が探していた猫は、幽霊で、実はもう死んでたりするって事なのか。

 そんな非現実的なことは信じられない(ゆうの事は別として)。

 小さい頃のことはあまり覚えてないが、幽霊に出会ったことはなかったと思う。

 そんなことは信じたくも関わりたくもないが莠が言っているのだから事実なのだろう。

 

『で、どうするんだ。会わせたいんだったら何とかしてやる。』

 

 莠はこんな話してるのになんで普通な顔してんだろと考えていた。

 

「できれば、会わせてあげたいけど。本当にできるの。」

『簡単じゃぁ無いけど出来ない事はない。

 しかし、さっきので5000円だったから、それに上乗せして...。ざっと15000出せるならの話だな。』

「金ことになるとこうなるのか。もし出せないって言ったらどうするの。」

『もちろん、この話はなかったことになる。』

 

 

 

「すいません。明日来いって言われたから来たんですけど。」

 そして接客のために杏子がでる。

「話が長くなって複雑になるになるらしいから、座って下さい。」

 わけがわからなくて、一応言われたとおりにしている男の子。

「では、莠説明お願い」

 

 

『単刀直入に言うと結果は、無理。理由は、

 第一、そんな猫は存在していなかった。第二、15000出せるか分からないから。』

「どう言う事なんですか。」

『ほんと話が分らない奴だなお前。だから、あの猫はもともとこの世にいなかったんだよ。

 あれは、幽霊だったんだ。だから、お前の頭の中だけに“生きて”いたんだよ。』

「じゃぁ、もう会えないんですか。」

『そんなことは言ってない。会いたいなら会わせてやれないこともない。

 だが、それは、別料金ということになるな。ここまでの説明で、5000円。

 だから、会いたいなら追加で15000だ。合計20000ってところだな。払えるか。』

 男の子は、頷いた。そして財布から、20000円を出した。

『今時のガキは、どれだけの金持ってんだか。』内心でそう呟いた。

 

 

 

 そして莠の表情が一変し、別人のように無表情になる。

『死んだモノを、蘇らせるっていうのは、本来ならあってはならない。

 それを行うんだから、どうなるかは分らない。もしかしたら、まともな“カタチ”に、

 ならないかもしれない。もし失敗しても、やり直しはできない。それでもいいのか。』

 長い沈黙。

 誰も言葉を発さなかった。

 そして、

「失敗するかもしれない。けど、成功するかもしれないんですよね。」

 莠は静かに頷いた。

「だったら、お願いします。会わせて下さい。」

『分かった。』

 それだけ答えると、莠は目を閉じた。

 

 

 右の掌を前に出し、左手で肘のあたりを軽く支えている。

 ものすごく集中している。昨日とは、比べ物にならないくらい。

 気温が急に下がってきた。すると、右の掌の周りに、白っぽい光が集まってきた。

 光は、テニスボールぐらいの大きさまで広がった。

 そのままだんだん大きくなってゆく。スクールバックと同じくらいの大きさになったとき、

 光は、急に広がるのをやめた。今度は、床へと降りてゆく。そして、突然消え、気温も元に戻った。

 光があった場所には、今は黒い毛糸玉が転がっていた。すると、それは動き始め、伸びをした。

 

 “ニャー”

 

 この鳴き声に沈黙は途切れた。

「ルイ」

 と言い猫を抱き上げる男の子。ものすごく嬉しそうだ。

 莠はソファーに座りこんでいる。

 私はというと今、目の前で起きたことが信じられなかった。

「ルイ、一緒に家に帰ろう。」

 そういいながら、猫を抱えた男の子はこっちに向き直って、

「ありがとうございます。」

 嬉しそうに言い、事務所を出て行った。

 

 

「莠、今なにをどうやったの。」

 男の子が出ていくと、すぐにそれを聞いた。

『さあね。俺にも分らない。できるかなと思って何となくやってみた。』

 この人は、何となくやってみたら、幽霊だった猫を実体化させたそうだ。

 こういう時はやはりすごいと言うべきなのだろう。

 けれど、直感的に莠ならこれくらいやっても当然だと感じてしまった。


『疲れた。』

 そう言って莠は、ソファーで寝てしまった。

 

 こうして初仕事は終わりを告げた。

 

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 男の子は猫を抱えて家へ急ぎ足で歩いていた。

 18歳くらいの見知らぬ青年に呼び止められた。 

「その猫どうしたんだい」 

 すると答えは勝手に口から出ていた。

「あっちにある、“探し物屋”というところにいる人に、見つけてもらったんです。」

 このとき男の子の瞳から光は消えていた。

「見つけてもらったってどういう事。」 

「この子は、幽霊だったらしくて本物の猫にしてもらったんです。」

「どんな人だったの」

「肩につくぐらいの髪で、右目が片方だけ赤い人です。」

「ありがとう」 

 青年がそう言って男の子の額に触れた時には、もうこの記憶は消されていた。

 そして、何事もなかったかのように男の子は歩き始めた。

 それを見届け、青年は空を見上げて嬉しそうに呟いた。

闇罹あんりが見つかったよ。」

初めてだったので、ものすごくごちゃごちゃしてます。本当にごめんなさい。

申し遅れましたが、私は羅悸龍螢といいます。

本当にまだまだ始まったばかりです。 これからまた、キャラが増えていき複雑で単純になっていきますが、これからも読んでもらえればものすごく嬉しいです。

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