黄昏の虚空の詩編手記譚
『黄昏の虚空(そら)の詩編手記譚(フォークロア)』大災害により、かつて繁栄した大地を失い、人類はプラズマの蔓延する暗雲《クラウド》の上に作り上げた偽りの地――人口浮遊大陸《アーク》に移住して三百年あまりが過ぎた時代。王国士官学院に在籍する少年、ノエルは誰もがつかえて当たり前の技術である《響律式》を扱えないがゆえに『無能者』の烙印を押されていた。そして新たな新入生がやってきて間もない時期にもかかわらず、その噂を聞きつけた連中に早くも因縁をつけられる。そうして望まぬ闘争に巻き込まれたノエルの前に、一人の少女が現れる。のちに『響律戦争』と呼ばれる戦いが巻き起こるこの時代で起きた一つの出会いから始まる、『黄昏の果ての再誕叙事詩』へと続くSFファンタジー。