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序章
私はオレンジ。
ミコはグレープ。
片手にパックのジュースを持って、空いてる手で手を繋いで。
夕焼けが照らす赤い道を、二人で歩く。
「じゃあね。」
「バイバイ。」
電柱がある突き当たりで私とミコは別々の道を行く。
ミコは「また明日」って
言ってくれない。
私は、私は
もう
明日も
ずっと
いつかの日までも
黒い女なのかもしれない。
まっくろで
漆黒で
黒い、
ただの女。
皆はどんな女なんだろう。
明るくて
元気で
優しくて
可愛くて
愛される、女
なんだろうな。
せめて
せめて
私は、
「青い女」になりたい。
母のようには
なりたくない。