狐と小娘
私の名前は小鳥遊 乙葉 (たかなし おとは)現在、先日亡くなった祖父の家を片付けに来ています!
祖父と仲の悪かった父の意向でこの家を取り壊すことになった。唯一、仲の良かった私だけが片付けの為にこの家の固い扉を開く。
靴を脱ぎ、段差を登ると右隣にあるガラスの扉を開くとそこの部屋はキッチンで祖父は綺麗に片付けてあった。
お陰で片付ける手間が省けたというものだ!
そのまま廊下を歩いていくと電気のスイッチがあったので押してみるとどうやら電気はまだ通っているらしい。
私はまず祖父の部屋を片付けようと突き当たりの部屋まで歩いていく、床の木がミシミシという音を鳴らし、何か和風家屋独特の不気味さを感じ、私は足早に祖父の部屋へと入る。
部屋は綺麗にされており、窓から暖かい光が入り込んでおり、机の上に眼鏡が置いてあった。
なんというか気持ちが落ち着く
「懐かしいなぁ〜おじいちゃんの部屋!」
部屋を見渡す、本棚には私の描いた絵が挟んでいたり、小さな木で出来たコタツ机に足を入れると何となく暖かく感じたりする!
さて、そろそろ片付け始めるか!
物書き机に置いてあった眼鏡を手に取ってみる
おじいちゃんが掛けていた普通の眼鏡だ、まだ綺麗だし勿体なく感じる
私は目は悪くないから必要ないが!だがメガネの度がどういうものか気になるというもの、レンズ越しに部屋を見てみる!
あれ?度が入っていない?これ伊達メガネだ!なんで伊達メガネなんか使ってたんだろ?
今思えば祖父は変わった人だった。独り言も多く、いつも変なことばかりしていた。そのせいで祖母と連れられた父は別居し、不仲になったのだろう。
でも家が近かった私は面白半分で遊びに行っていた!
あれ?今気づいたがコタツに文字が耳なし芳一か!って言うくらいびっしり書かれている!?
こんな文字に気づかないなんて会社の疲れでも溜まってるのか?
「おい!お前!ワシが見えんか?」
とうとう幻聴まで聞こえだした!もしや、おじいちゃんの亡霊…!?
「悪霊退散!悪霊退散!おじいちゃん!成仏してぇ!」
「コタツの下だ!」
私はコタツに向かい十字架を空に描く
「そんなもんは効かん!早く見ろ!」
「絶対見ないもん!」
「見たら成仏してやる!」
いやいや信用しないぞ!このメガネ掛けてからおかしな事が起こり始めた!
原因はこのメガネだ!
きっと呪われた装備だ!
外せば良かろうなのだぁぁ!
眼鏡はスっと外れる…
あれ?案外あっさり外れた…
それどころか声も聞こえてこない!
やはり眼鏡が原因だったんだ!
さて、これで片付けが出来る…がやはりコタツの下が気になる。
私は恐る恐る下を覗くと…
……。
何も居なかったが、コタツの裏に何か文字の書かれた紙が張り付けられていた。その紙が剥がれかかっていてA型の私は気になりそっと抑えてみるが剥がれてしまう…
んー…えい!
剥がれかかっていた紙を剥がすと燃えだした。
私は急いで手放し、上着で扇いで消そうとしたが、その紙は他に燃え移ることなくそのまま焼失した。
「あぁ、ワシを縛っていた封印がひとつ解けた!」
え?眼鏡掛けてないのに声が聞こえてきた!
眼鏡なくても意味ねーじゃんッ!
「おい」
「おじいちゃん成仏してよ!」
「その眼鏡を掛けてみろ」
「嫌!」
「掛けねば呪うぞ!」
私は急いで眼鏡を掛けるとそこには、小さな木でできたコタツ机に亀のように手足を出している太っちょ獣が居た!
「くるしい、ここから出せ」
え?なにこれ狐?
私はそっと足を伸ばしてみる
触感もある…本物だ。眼鏡を外すと声だけ聞こえてくる
「おい、さっきもそうだが冷たい足を入れてくるな、…その性格の悪さ総司と全く同じだな」
総司…おじいちゃんの名前!
「え?おじいちゃんの事知ってるの!?」
「腐れ縁だ」
「ねぇ!良かったら聞かせてよ狐さんとおじいちゃんの話!」
「嫌だ」
そう言ってそっぽを向く狐に足を突っ込み話しかける
「ここから出たいんじゃないの?狐さん」
「やめんか!分かった話してやるだが話したらワシが出るのを手伝えよ!あとワシは大妖の白狐だ」
「分かった!」
狐の過去…
ワシはいつも通り野を駆け、獲物を狩っている時、人間に獲物を奪われた。
その人間は獲物を返し、自分の付けていた笠をワシにくれた。
ワシは人間というものに興味を持った
ある日、ワシの見える人間に気まぐれに願いを聞いて叶えてやろうと思った。
そしてたまに見えるものに出会っては願いを叶えてやった。すると人間たちはワシに家を作り、お供え物をするようになった。
だがワシはつまらなく思い今度は悪戯をすることにした。それはもう面白おかしかった。
だがある時、人の家のコタツで温もっているところを名のある僧に封じ込められてしまった
その封じ込めを依頼した奴は強欲でな、そのコタツから出して欲しくば一族に富を約束しろと言った。
そやつはワシを使って富を得ていたが、ある日ワシは出して貰えぬ恨みを呪いにしその一族に掛けた。富は愚かな裔達が使い潰し消えていった。
そしてワシは封じられたまま、売り払われた。
そこにある日、お前の祖父がワシを買っていった。どうやらワシが見えたお前の祖父は面白半分で買った挙句、封印術のテストだなんだと楽しそうに封印を強めおった。
そしてあのアホの総司のせいで今まで出れずに苦労しているわけよ
「分かったか?小娘、だからこの封印を解くんだ、総司も死んだことだ、ここにいる意味も無い」
「ふーん、おじいちゃんと仲良かったんだ」
「腐れ縁だと言っただろう、早くここから出さんか!」
ドカドカとコタツで暴れる狐に物申した
「駄目、約束まだ守って貰ってないもん!おじいちゃんとの話をしてって言ったの全然話してくれないじゃん」
狐は舌打ちをし、おじいちゃんとの思い出を話し出した…
私は狐に足を温めてもらいながら父にメールを送る。
件名 しばらくこの家で過ごします
気が向き次第続きを書きます




