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昭和なお正月であけましておめでとうございます  作者: 佳尾るるる


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第2話 ただいま、いただきますと言えるしあわせと 昭和な夕食で心を暖めるぼくたち

 最寄り駅の改札を出ようとしたら、後ろから


「葵ちゃ~~ん」


と買い物袋をぶら下げ、思いっきりおめかしをしたおばあさんと茜ちゃんが声を掛けてくる。茜ちゃんは昨日と同じ服、でおばあさんは洋服。どうやら着物は本当の勝負のときだけになったのかな?


「本宿の伊勢勘行ったんだ。一本で行けて便利になったね」


 そう、昔は渋尾で必ず乗り換えだったのに、今は本宿でも北袋でも昨日の川瀧でも新幹線も乗り換えなし。


「今日は色々買ってきたから、ごちそうよ」


 おばあさんにっこりしながら言うけど、袋の中身が気になる。茜ちゃんもにっこりしている。またぼくの女の子用のアイテムかなぁ・・・・・ごちそうはなんだろう・・・・


「ぼくもお土産買ってきた」


そう言って、こどもの園で買った乳製品を見せ、3人笑顔で家に戻り、ぼくは大きな声で、誰もいないのに


「ただいまぁ~」


いつ以来だろう、これを言ったの。ぼくには家族もいるんだ、だから毎日それが言える幸せに浸りきった。


 明かりを灯し早速二人は夕飯の準備、ぼくはお風呂の掃除だけど、広さは前と一緒だけど、作りは現代式。洗濯機も洗面所もしかり。それからぼくは部屋に戻って写真をデスクトップPCでじっくり確認。きょうはまぁまぁだったかな?それとも機材が良かったかな?


 1時間ほどでおじいさんも帰宅。早速おじいさんにも写真を見てもらおうと、タブレットを持って行く。


「こどもの園行ったのか?」


「うん、久しぶりに。天気はいいけど、草木はお休みだね冬だから・・・」


「どれどれ」


早速眺めるおじいさん、だけど一人ですらすら操作する。


「大丈夫なの?」


「大丈夫。俺も母さんもIT機器は使えるし、電車だって紙の切符は買わないぞ」


まぁおじいさんこの少し下りのカメラメーカーのエンジニアだったし、晩年になっても自分でネットを使いこなしてたから。そうしているうちに夕食タイム。


 今日の夕飯は湯豆腐とシューマイ、赤い焼豚。湯豆腐は豆腐の他に鶏もも肉、鱈、野菜がいっぱいで、少し塩気のあるだし汁で炊く。タレはポン酢の他に醤油、みりん、卵黄、刻みネギ、鰹節、青さの相撲部屋風味、ボリューム満点、ぼくも大好き、我が家の冬の定番。そろったところで


「いただきま~す」


これも口に出したのいつ以来だろう。昨日もだったけど、家での食事はずっと一人だったから。


 豆腐は極上だから、大豆の味が濃いし、鶏もも肉や鱈の切り身でコクとボリュームがまし、野菜は少しクタクタに煮るとご飯が進む。シメにうどんやそうめん、餅もいいのが我が家の湯豆腐。食べ進んだところでぼくから


「ところでさぁ、茜ちゃんがおじいさん、おばあさんのこと、お父さん、お母さんって言うけど、ぼくがそのままだとなんかおかしい気がする、それに二人とも、この間のぼくより若そうだし」


そう切り出すと、おじいさん


「まぁ今の俺達43歳なんだ。少しでもお前たちと長くいられるようにって」


「そうなんだ。じゃぁこれから、父さん、母さんって呼ぶよ」


実はぼく、初めてかもそう言ったの、生みの親は早くに亡くなったし、記憶がほとんどないので・・・


「あらっ嬉しいわ。お母さんもっと頑張るわ。それにしてもお祈りがとどくとはねねぇ」


「何を祈ったの?」


「もう一度お父さんと葵ちゃんと一緒になれますようにと、茜ちゃんともずっと一緒にって」


「そう、今度は茜も家の子にしたかった。この子にはもう一度人生をやって幸せになってほしいって」


「私はおじさんとおばさんの子になれてすっごく嬉しい。これまで毎日穏やかに過ごせて、ご飯も全員揃うわけじゃないけど、みんなと一緒でも、気疲れしないで、美味しく食べられるし、それと一番今うれしいのは」


茜ちゃんそう言い切ってぼくを見つめて


「大好きな葵ちゃんが今眼の前にいることだよ。私のかわいい妹ちゃんっ」


「だからぼくは妹でも弟でもない葵だよ」


「葵、ムキになるなって。姉弟っていうのは戸籍上のことで、これから二人とも思いやりをもって仲良くしてほしい」


うちは父さんがいるから、助かるけど、今どきの普通の家庭なら、女二人がマシンガントークでお父さんは黙っているだけだもんなぁ。言ったら余計口撃されるだけだろう


 鍋料理を囲むのも久しぶり。湯豆腐はよくやってたけど、コンロで煮て丼に盛って一人だったし、卓上コンロでみんなと囲むと、暖かさがほんとしみるし、時間とともに出汁もでて美味しくなっていくのがいい。


「明日辺りから正月の支度だな。来年の正月はしっかり楽しくしよう。4人で初詣に行ったり」


「そうそう、4人そろって和服にしましょ。それとおせちの買い出し、お餅も頼まないと」


 そこでぼく


「髪ボサボサだから明日切りに行きたいなぁ」


そしたら茜ちゃん


「私と一緒に行こっ」


それなんか悪魔のささやきっぽい・・・・まぁ明日は髪を切りに行くことに。


 夕飯が終わって、母さんが


「お風呂に入ってらっしゃい」


って言うので、ぼくは


「茜ちゃん先どうぞ」


「一緒に入ってらっしゃい」


えっ・・・・まぁ時間がもったいないから、一緒に入ろう。脱衣所に先に行くぼく。すぐ茜ちゃんも来る。だけど脱ぐのは恥ずかしい。そこで


「茜ちゃん、悪いけど、一緒に脱いでくれない?嫌ならタオルとか水着で隠してもいいし、ぼくは今夜は入らない」


「いいよ、じゃぁ上から」


上を脱いだら、茜ちゃんのほうがやっぱ女の子っぽい。そして深呼吸をして下を脱ぐ。下も茜ちゃんのほうがやっぱ女の子っぽい。少し目をそらして手を繋いで浴室へ。


 ぼくは茜ちゃんの背後にまわってかけ湯をして、今度は逆に。そうして湯船に浸かるけど、ぼくの方から離れる、けど少しずつ寄っていく、ジロジロしないように、だけど


「別に気を使わなくてもいいよ。久しぶりだね、一緒のお風呂」


「最後に泊まりに来たのはあの年の秋だったから。それにそろそろ一人で留守番したいって言うのかと思ってたよ」


「えぇぇそんなことなかったよ。私この家好きだったし、もちろん葵ちゃんも。みんなで一緒のご飯とかほんと美味しかったもん」


そう言ってくれると嬉しいけど、あの辺りで男女差がで出してたし


「でもさぁぼくと一緒に晒すのは恥ずかしくなかったの?」


「大丈夫だったし、今も」


意を決してぼくは何も隠さず茜ちゃんと向き合ってその体をぼくは丁寧に洗うのにもためらいはなかった。そして茜ちゃんもぼくの体を洗ってくれて、もう一度湯船に。見つめ合ってもいやらしく感じないし、ちょっと笑っちゃったかも。


 お風呂から上がって、髪を乾かした後は、こどもの園のおみやげの牛乳をコップに注いで、左手を腰に当てながら立って飲む。こどもの園の牧場の牛乳は味が濃くて、ほんとに美味しい。


 明日もいいことあったらいいなぁ。、毎日そうだったらいいなぁ、そう思ってぼくはベッドに潜り込んだけど・・・・・



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