他にいい忘れてることはない?
少し短いです。
4月
私は『能力者育成学園』通称『能力学園』の教師になった。
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コンコンコン
学園長室の扉を叩く
「入って」
この部屋の持ち主に入れと言われたので学園長室の中に入ってソファーに座る。
「おはよう」
「おはよう。翠、今日から教師になるけど不安なこととか聞きたいこととかある?」
「着任式なんて自己紹介すればいい?」
聞きたいことがあるかと問われたので不安に思っていた事を聞く。前に紫娟に初対面のとき人間の印象は3秒で決まると言われたことがある。
「自己紹介なんて適当でいいんだよ。名前と受け持つクラスを言ってよろしくって言えばいいんだよ。」
「でも私は紫娟みたいに器用じゃないし。」
「大丈夫。翠ならできるよ。」
絶対に大丈夫じゃない気がする...でも、紫娟が言うなら大丈夫かなと思い自分に大丈夫だと言い聞かせる。
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴る
「翠、いよいよ本番だ。みんなの前で自己紹介する覚悟は決まった?」
紫娟が私を見て問いかける。
決まっているわけがない。でも...
「流石にここまできたら腹をくくるしかないよ。」
紫娟が私を見て微笑む。
「君のその性格好きだよ。」
「そう」
ソファーから立ち上がり学園長室を出て体育館に向かう。
「翠の自己紹介は一番最後だ。あと訂正、新しくこの学園にきた教師は二回挨拶をしてもらう。一回目は名前だけでいいよ。」
「分かった。他になにかいい忘れていることはない?」
「ないよ。それじゃあ頑張ってね。」
「頑張るよ。」
いよいよ学園の教師になります。