詩 記憶の彼方に探している
記憶の中に 封印した
誰がそこで微笑んでいたの?
誰が幸せだったの?
記憶の中に 何かあったはずだ
なのに見つからない
どうしても分からない
目を見張った
目をこらした
それでもすりぬけていく
走って 見つけた傍から触れようとした
近寄って 捕まえようと 手を伸ばしたのに
どうして 何もなかったかのように 消えてしまうんだ
こんなにも求めているのに
こんなにも必要としているのに
「ストーリー」
彼は記憶喪失だった。
自分の記憶を取り戻したい。
そう思っているけれど。
記憶の断片は、彼の手に触れてはくれない。