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辞めたバイトを思い出し。R4-8-8  作者: 君月 満
9/13

魔鏡

 とうとう独り立ちとなった僕。時刻は午前12時ジャスト。極寒。寝静まりを迎えた世間…街灯が寂しく灯る薄明かりの中、「ジャリ…ジャリ…」と、不安定な足場をたどり、歩みを止めた先にある配達車に乗り込む。薄ピンク色のボロ配達車は凛と暗闇に佇んでいた。その冷え切った身体で僕を向かい入れる。「頼むぜ相棒……分かっているさ、無理は承知の上。ボロはお互い様さ。」と、デティールが崩れ気味のkeyをぶち込み、思い切り捻る。「きゅるきゅるきゅる…ぶるぉん」エンジンに火を入れアイドリングを掛ける。「キュリリリリリ……」タイミングベルトが悲鳴を上げる。持参した「お〜い、お茶。」の蓋をブチンッと、捻り明け、一口飲み気合いを入れる。「るろろろろ……」タイミングベルトが慣れた音を出す。排気口からは白い吐息が消え登る。どうやら目を覚ました相棒と、僕はゆっくり走り始めた。夜の闇に向かってアクセルを徐々に踏みしめる。孤独に路上を突き進む勇気と、完全に配り終える事が出来るかといった責任や不安が身体に渦巻く。センタさん……センタさん俺、やりますぜ。やったりますよ。と心に思い、ハンドルを握りしめる。

 走る車。車内に暖かみを覚える頃、身体の緊張も解れて僕は感慨にふける。今は真冬の深夜。そこには何か日常を超えたような、または、魔境……と、いうのか…例えようの無い奇妙な渦巻きがある時空の歪みが眼前にあった。夜の闇に得るものとは、単に孤独を覚えるに限らず、過去の自分を見つめ直す時間ともなる。続く

「あなたの笑顔…それは道標」福山雅治

「とにかく笑えれば…1日の終わりに、あはは。と笑えれば」トータス松本


好きな歌詞です。


笑うためにこの世に生まれて

笑うために人々と交じり

笑うために怒り悲しみ涙を飲んでは糧を得る


そう僕達は


笑うために生きるのだ






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