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辞めたバイトを思い出し。R4-8-8  作者: 君月 満
3/13

センタさんからの引き継ぎ

なし

 配達先に到着するとセンタさんは素早くヘッドライトを消して素早く降車する。そして荷台へと移動し、配達する商品をスッスッと袋に詰め込む。ライトを消す意味は、サイコパスな人じゃなければ意味が分かるだろう。「ふむふむ…なかなか素早くて綺麗に詰め込むね…これなら、朝方に商品を受け取るお客さんも手に取りやすいね」僕は勝手ながら感心していた。センタさんは身体がデカいしゴツい。しかし、その体格からは伺い知れない程に身のこなしが軽やかだ。そして手先の配りが上手い。「何だろ…おそらくセンタさんはA型なんだろうな…」って、僕は、バイト引き継ぎの主旨からはそれた思考をしており、センタさんを勝手にプロファイリングをしてしまっていた。それはやはり、その体格から図るイメージとは違う振る舞いをみせるからなのか。思考が巡る。

 持参のヘッドライトを任意のタイミングでONにすると、暗闇にサーチライトが灯るが、それは思いのほか遠い距離まで差し込みを見せた。暗闇は当然ながら黒色である。ただ深夜帯の深い深い黒色だ。何だろう…何て言うのか単純に暗闇は怖い。抗えない絶対的な何かがその奥に潜んでいる気がしてならない。ここ何回かはセンタさんと2人だから心強くてイイものの、すぐに独り立ちはやってくる。この暗闇に1人で立ち向かわないとならないのだ。「うぅ…く、暗闇に飲まれないぞ…飲まれるものか」と、自らの心の中で言い聞かせ、心を奮い立たす。

 配達の工程自体は至極簡単である。簡単ではあるが、件数がかさむと肉体疲労が蓄積される。すると、その簡単な作業工程がしんどくなり深夜帯の眠気も合間って、高確率でミスが発生する。つまりは指定時間内の配達完遂がし難くなる。配達業務上で発生するミスで最大に致命的である事は何か…?それは、ズバリ「注文品を配り間違える事」だ。配達地域は何キロと広がりをみせる範囲で、社用車で移動するが、間違えた事実が発覚した瞬間には、愕然し、その場で立ち尽くす程に重度に落胆する。「すみません」では済まないし、世の中は就寝中の配達であるため、当然ながら指定BOXに入れるタイプの置き配となる。誰も指定品との違いを指摘してくれる事なんかは無いのである。なので自ら早めに間違いに気づき、間違った配達先と商品を探し出し、つい先程行った配達先に向かう。到着した後には早速、配達し間違った商品をわざわざBOXから取り出して(この瞬間に大きな緊張が走る)、正しい商品を入れ直すといった、二度手間再配達をしなければならないのだ涙。もし、この瞬間だけを他者に目撃されたら、何だかいきなり車で乗り付けて、慌てて人ん家に飛び込み、人の家のBOXから物品を盗もうとしている輩がいるぞ!…と、誤解を受ける可能性があるため、僕的にはかなり嫌な作業であるのだ。…続く




暗闇にうごめく男2人

額に輝くサーチライトは第3の目

松果体を覚醒させる深夜の奇跡

チャクラよ…開けよ覚醒せよ

60兆個の細胞を奮い立たせ

暗闇を切り裂け




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