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辞めたバイトを思い出し。R4-8-8  作者: 君月 満
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前が見えない!!その②

「ハ…ハハ…」緊張が極限に達すると多くの人は乾いた吐息で笑いだす。僕も同様で、引きつった顔で半笑い。なおかつ発狂寸前で更に恐怖や焦りが混ざり、口がパサパサになっていた。「とと…とりあえず、ヘッドライトを消して雪壁からの光反射を無くし、ハザード点滅させながらゆっくり走り続けるしかない…」そうすると極僅かに夜の闇に目が慣れてきて、段々と浮かび上がる黒灰色の景色が見えてきた。真っ黒な山並みや路面の位置合いが薄らと見えたが、それだけではまだまだ状況がハッキリ分からず危険であった。足元にある圧雪とその下に点在する見えないブラックアイスバーン…つるつるだ。ハンドル越しに滑る感覚が丸分かりであった。山間を縫うように走るが、当然のごとくカーブや路面の起伏もある。下りカーブは地獄への誘い…「本当に前が見えない」「頼りは車体側面に微かに見え隠れする路肩……」「これだけ、これだけが今現在、唯一頼りの運転基準だ…これと距離を保ち前方に道がある事を想像して進むしかないah」「ごきゅるり…」僕はパサパサの口内で無理矢理に生唾を飲み込んでいた。

 しんしんと降り堕ちる雪ども。深い静寂に走る車。深夜でもあり、そもそも交通量は少なく更にこの豪雪のため、殆ど周囲の気配を感じない。まるで飛んでるかのようにゆっくりと異空間を進む。緊張の中に在り、なおかつ幻想にも在るようだった。「耐えろ…耐えるんだ我が心よ…」僕は折れかけた心を奮い立たせハンドルを強く握りしめた。頭によぎる事故画像…谷底に落ち壊れた車体のイメージが……リアルになりそう…ず…。「ヤバいやばいってマジでっ」「あぁ…もうっ!ホントにもうっ!なんコレーッ!」「何で俺がこんなに目にーっ!!」と怒りも湧いてきていた。「こんな時、センタさんはどうしただろう…」「センタさん…力を…あの力を分けてくれ!…鬼神の力を…!」なんて思いながらも進んだ。進むしかなかったのだ。もう選択肢は一つのみ。「前に進み状況を打破する」の、鬼神の一択。「鬼神の時速3km」で、進むのみ。だったのだ。続

 

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