配れども配れども
なし
先日、副業である配達のバイトをとうとう辞めた。
このバイトは深夜に配達を始めるため、従来であれば今時間も配達中となる訳だ。現在時間は深夜の3時過ぎ。この時間帯に目が覚めてしまうのは、身体が不意にバイト活動を思い出してしまうためなのか…と、感慨ふける。「うぅ…寝れない。寝れないぞ…」ネットサーフィンしても寝れない。「どうしよう…なろうしよう。」という訳でココにいる。
エゴサーチして承認欲求をふんわり満たしながら、ニヤニヤ、ウヒウヒする。ど過疎作者の君月であるが、提出作品にちょっとだけでも反応があると、おっさんであるが…正直…う、嬉しい。社会に向けて自己の内面に渦巻くアレコレを表現出来てるんだなぁ…と思えて嬉しい。僕はまぁリアル社会でもネット社会でも隅っこで細々と生きているちょっとだけエッチな変態小市民であるため、例えると、エゴサーチは自分の脇とか耳の裏、臍の匂いを確認するような作業と同義であり、大事としている。何というかヘルスメーターの意味合いが近似している。
何を書こうかと悩むところであるが…やはりリアルドキュメントが好物なので、そのテイストでバイト中に経験したリアルを書こうかと思う。まるで面白味はないだろうが、まぁ自分史を刻む上で、この半年間の僕の深夜のバイト活動。我が闘争。孤軍奮闘ぶりをダラダラ綴ります。よろしくお願いします?
令和4年1月吉日。「えーえーえー何も問題ないですからぁ。え?あハイハイ大丈夫ですからぁー全く心配いらないですからぁぁぁああえあ」っと、やたら眼光が鋭い威圧楽観的な高齢責任者から、ありがたい事に採用を頂いた。以前、24時間営業の大手スーパーのバイトを見事落選した君月であったため、この度の採用は正直ありがたかった。頑張ろうと素直に思えていた。この時点では。
年明け早々の深夜、雪が降る北の大地で僕のバイト活動が静かに始まった。「寒い…」とにかくこの地域は冬が本当に寒い。そして夜は更に寒くなるため、心も冷えてしまようで何故か悲しくなる。防寒着だけでは足りないから、中に2枚重ね着した上でダウンジャケットを着る。モコモコの身体で活動する事となる。帽子を被りヘッドライトを装着。このヘッドライトがバイト先で大活躍するのだ。両手に軍手もはめて、自宅のドア閉め、鍵をかけていざ出勤。「あぁ、暗いなぁ」深夜だから当然ながら周囲は真っ暗で、静まりかえっている。そして、街中ではあるが、人っこ1人歩いていない。所々の窓から伺う室内灯の明るさが、ちょっとだけ僕の気持ちを緩ませる。重たい身体を歩ませ我が車に乗車。会社までは自家用車で向かう。到着後は社用車に品物を手積みで積み込み、用意したお茶等を一口飲み、気合いを一発入れたらいよいよ出発となる。
「君月と申します!よろしくお願いしまーっす」と、初めての挨拶は明るめを意識した。「よろしく…」僕と入れ替わりでバイトを辞める前任者さん。引き継ぎのため、4回だけ同乗してくれて、配達先などを教えてくれるそうだ。こうして、センタさん(仮名)との出会いを迎えて、車は走りだした。ちなみにセンタさんは僕より身体がデカい上にゴツい。割に随分と優しく静かな物言いをする人物で、印象は悪くなかった。ちょっとだけ内向的な雰囲気で清潔感はあった。
品物を揺らし配達先に向けて一般道をひた走る社用車。総走行距離は既に十万キロを超えており、少々故障の心配があるボロ車だ。たまに聞こえる異音にはバイト後半には慣れた。細かい事はいちいち反応せず、半端ヤケクソで慣れてしまう事が大事だったりする笑。
「このバイトは時給換算すると700円くらいかな…」センタさんが開口一番にそう言った。続けて、「深夜の出来高払いは悪法だよね…」と更にボソリとこぼす。「ぁ、ハイ。そうなんですか」と僕。そう。そうなのだ。このバイトは配達個数✖️単価=賃金であるため、いくら件数を回っても、個数を沢山配らないと賃金が少ないのだ。例えると、100件に一個ずつ配るも、一件のみ100個配るも賃金は一緒となるため、少ない件数で沢山注文してくれた方が配達時間が少なく、楽であり更に賃金も割増となるため、その方がバイト勢にとっては所謂「おいしい稼ぎ」であるのだ。……続く
配り抜いた深夜の青春は既に斜陽を迎え
ひた走る道はいつしか銀色に。
見上げた夜空には無限に広がる透明な輝き放つ星々が。
ハンドルを握る手のひらに未来を込めて
配達先の人々へと白色の愛を込めて
踏み締めるアクセルには夢の跡。
そして夢の跡跡に咲き誇る金色の花
それはいつまでも枯れない永遠の金色花