ギャル子、魔王になる
良くわかんないけど、ウチがプリンのリーダー的な?
えー、…、それめっちゃよくね??
>絵比奏度06
ギャル子、魔王になる
ウチはどちらかと言えば、まあ、ひねくれてる方だとは思う。
やるなーって言われると、やりたくなるし?
やれーって言われると、やりたくなくなるし?
夜は静かにしてろーって言われた合宿の夜とか、枕投げにガチになって廊下に正座させられたし?
ミサはなんか逃げてたけど。
あ、思い出したらおこ。
で、ウチ的には魔王?とかいうの?突然言われても意味フだし、当然ねーわ超ウケるーって感じだし。
セキニン、とか、仕事、とかうんざりなえぽよだし。
…ただ。
「ばば様、本気か。どう考えてもこの小娘は侵入者だ、つまみ出しこそすれ…」
「いいや、いいや!予言こそ絶対、我が水晶に映りしものこそ我らの主…!それは主も知っておろう」
「水晶玉の磨きが足りなかったのでは」
「おいドライ」
なんかこう。
「見てください、どう見ても人間だ。泥まみれだし。小汚ないことこの上無い」
「ううむ、そうではあるんだが」
「しかも頭も悪そうだ、あんな大きな花飾りを頭につけて何がしたいんだか。スカート丈も見苦しい」
さっきから。
「何であのオークもこんなものを城内に入れたんだか。ただでさえこっちはあの妙な神子のせいで大変なんですよ、ばば様」
「しかしな、我の予感がそういっておる。この少女こそ我らの未来を担う存在」
「これがですか」
いらっと、くるわな。
てかさあ、何様なかんじ?
何様?王様?俺様だってか?
剃りゃ確かに?どろどろですけど?
でもしゃべってもないのに頭が悪そうだとかはぁ?
ちょっと黒髪オールバックで決めてるからって調子のんなし。
その若干額に散らしてる髪引っこ抜くぞ。
ちょっとさあ、ダブルのスーツ似合ってていーじゃーんとか思ったらさあ、ちょーし乗りすぎでしょ。
お前なんかより?ウチのマブダチのプリンの方がイケてるし?
あとスカート丈に口出しするとかオトンかよ。
へえ、そんなにウチがここでなんかするのが嫌ですかぁ。
そーっかあ。
そっかそっか。
「……魔王、やってもいーよぉ」
「なんじゃと!」
「ウチ、おばあちゃん放っておけないし?プリンもウチのマブダチだし?」
「まぶだち」
「行くとこもないし?」
うわ睨まれた、こっっわ。
「行くとこがないとは面妖な、家はどうしたのじゃ?」
「おにもり、いえ、とおい。すごく」
「ほう、鬼守という名なのか!鬼を守るとはよき名じゃよき名じゃ!」
「いやそれ名前じゃないけど」
「うむ、やはり我が予感に間違いはなかった。心根も優しく、我らの味方となればこの方こそ次期魔王にふさわしい!」
「そこは話聞いてくれないんだ」
杖を振り回して、おばあちゃんテンションアゲアゲじゃん。
宴じゃー!ってノリノリじゃん。
プリンもそわっそわしてるし、楽しそうな感じではあるからいーかな。
てか魔王って、子孫が継いでくんじゃないんだ。
おばあちゃんは予言を受けた、とか言ってるけど、割とノリ軽くね?
ウチ的には、居場所ができてちょーラッキーだけどさあ。
「…勝手なことを。王の職務がどれ程だと」
「えー、頭悪いからー、ちょーっと良くわかんないでーす。でもプリン居るし?一緒に頑張るし?」
「うー」
「勿論我等も全力で支えますぞ、鬼守様。何我とこやつは、魔王様に仕えるこそが職務!ほれ、さあきちんと挨拶をせんかドライ!」
…あれ、今こやつっつった?
「…今までのご無礼を、お許しください。我が名はドライ、魔王直属第一親衛隊隊長、貴方の秘書にあたります。…せめてこれから精一杯、貴方の頭に職務を叩き込んで見せましょう」
やばばばば。