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ギャル子、デコる  作者: 金剛寺 兎丸
16/23

ギャル子、とおばあ

 

 神子って何よ、神様って子供生むの?

 人間に近い生態なの?

 それとも分裂?まさか卵?

 …やばばば。





>絵比奏度15

 ギャル子、とおばあ





 我に返ってみたけれど、もしかしなくともウチには、知らないことが多すぎる気がする。

 神子って何よ?

 何でこの国はごはんが足りませーんみたいなことになってんの?

 貿易やめてる国から勝手に神子様乱入してるんですけど。

 あと流されてたけど、そもそも魔王ってだから何よ?

 ウチどうしたら帰れるわけ?

 ちょっと快適で楽しい生活なもんだからうっかり忘れてたけど、ダメじゃん。



「と言うわけで、説明してちょ、おばあちゃん」

「ふん、流されてたなら、そのまま居着けば良いんじゃないかの」

「いや、ウチそういう相談はしてないし」



 つかフツーに帰る気ありますし。

 …ここまで日数開けちゃうと、女子高生失踪事件!とかになってて親は大騒ぎ、で帰りにくいけど。

 でも心配かけてるわけだし。

 なんか、今更になってこう、我に返ったというか。

 我に帰るまで一、ニ週間くらい経ってるし遅すぎっしょ自分。

 ミサに会いたい。


 OHGと姫乱入事件から一夜明けて、ウチはおばあちゃんの部屋に突撃をかけていた。

 今は本当はドラピッピといつもの勉強タイムなんだけど、ちょっとサボりなうなう。

 今頃激おこかも。

 でもウチだってむやみやたらにサボってる訳じゃないのだ。

 ドラピッピさぁ、多分あえて大事なこといってないんだよね。

 この国のふるーい歴史とか?地理とか?そんな話しはするけど神子様とか魔王制度とか、そんな話一度も出てこなかったし。

 フツーそこ触れるっしょ。

 根幹じゃん。

 だからウチは、そー言う話をしてくれそーなおばあちゃんに会いに来たのだ。



 おばあちゃんの部屋は、畳、じゃないんだろうけど何かの草を編んだ明らかに畳っぽい何か、が敷かれてて、城内とは明らかに雰囲気が違う。

 てかすっごい親しみやすい感じ。

 てかウチんちみたい。

 ミサんちも畳なんだよね、どっちも農家だし。

 あとすっごい良いにおいする、なんだろこれ。

 お香?



「まあ…そのうち、話そうとは思っておったんじゃが」

「うん」

「まず何から聞きたいんじゃ?」

「まずさあ、おばあちゃんどこまでしってんの?ウチのこととか」



 ウチの言葉に、おばあちゃんはにっこりと微笑んだ。

 ローブ?みたいのを着て水晶玉を抱えてっていかにもファンタジーな格好をしてるのに、不思議とウチのおばあちゃんと姿が被る。

 ずるいわー、ウチさぁ、おばあちゃんに弱いんだよね。

 ふ、っと目を細めたおばあちゃんがやがて口を開く。



「東京にな、おったんじゃ」

「え?」

「戦争は、終わったんじゃろう?ほんに驚いた」



 懐かしそうな、顔してる。



「水兵さんの服じゃなあと、最初にお主を見たときに思ってな。ああ、おんなじところから来たんじゃなあと思うた」

「…おんなじところ?」

「とは言うてもな、まあいろいろ、ワシにとっては大昔のことなんじゃが」



 …ウチは、ここに着てからいろんな服をもらったけど。

 なるべく、洗濯してるとき以外は、制服を着てた。

 だってそれが、ウチの戦闘服だからだ。

 何て言うの?気合いはいるって言うか。



「まあとにかくな、色々あってワシも、魔王様と同じところにおったよ。大体のことは理解しておる」



 そうじゃなければ、突然飛び込んできた娘を魔王様などとは言わぬなぁ。

 そうカラカラと笑うおばあちゃんに少しだけ肩の力が抜けた。

 あ、やっぱりなんか根拠あったんだ。



「え?マジでー!?おばあちゃんも地球産!?」

「うむうむ、なんじゃ、えー、東京タワー?なるものも立っておるんじゃろ?」

「えー、おばあちゃんそれは遅いわー。今はねー、スカイツリーって言うんだよ。新しいの立ったの」

「ほっほう!空の塔とは大きく出たのう」

「まあウチもさー、田舎にいたから見たことないんだけどね。てかおばあちゃん都会っ子だった系?やばば!うらやま!」



 おんなじところから来た人が居るのは、しょーみちょーうれしい。

 何て言うの?安心するっての?

 でも、それって。



「おばあちゃん、帰れなかったの?」

「ん?」

「ここにさ、いるんじゃん?」

「…ああ」



 おばあちゃんは首を、振った。



「帰ろうと思えば、帰れたのう」

「…なーんだー!よかったー!ウチさぁ、ちょっと世界規模の迷子だから、ガチで帰れないんじゃね?とか思っててさー」

「まあ普通はそう思うわなあ。それにしても、一応案じておったのじゃなあ。すっかり忘れておるのだと」



 いや、おばあちゃんさりげに酷くない?

 さすがに忘れないし。

 忘れてたけど。


 おばあちゃんはたのしそーに目を細める。

 髪の毛を纏めてたかんざし?が揺れて、きれいだなと思った。

 ちょー年代物っぽい、アンティーク的な?


 そしておばあちゃんは、ウチに突然質問を投げ掛けてきた。



「ところで魔王様や、魔王様にはワシはいくつに見えるかの」



 おばあちゃん?80くらいに見えるけど?

 …ご、五十歳くらいにみえるー美魔女ー!とか言った方がいい系?

 女子のあれ?心理戦的な?

 えっ、いきなりのバトルなの?

 明らか三十代には、えー二十代くらいですかー?みたいな?

 えっ。


 や、やばばばば。

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