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ギャル子、デコる  作者: 金剛寺 兎丸
13/23

ギャル子、始動OHG

「はーいゴブリンならびにオークとOHGに参加のみんな、まおーさまルール復唱ーするよー。せーの、困ったときはー?」

「「「やばばばばー」」」

「顔はいつでもー」

「「「スマイルかわわー」」」

「とりま相手をー?」

「「「ほめてまぶだちー」」」

「よしおっけー、みんないつでもー?」

「「「めざせぎゃんかわー」」」



「なんだこれは」





>絵比奏度 12

 ギャル子、始動OHG





 時間は、二日くらい前のメイク講習に遡る。



「ぶさめの鼻はばんそーこーでぺたっと隠してむしろ愛されポイントー、肌が緑だからオレンジでチーク入れよーね。みんなメモとったー?」

「うー」

「トッター」



 今日も今日とて、食堂の隅っこを借りて、講習中だったりする。

 ウチはなかなかの働き者だよね。

 食堂のすみに、移動式黒板と、モデルのプリンを置いて、ウチがリアルタイムに教えていく感じ。

 みんな思い思いに紙やらノートやらを持ってきてメモを取ってる。

 楽しそうだしいーかんじじゃーん。


 今日はドラピッピは視察?だとかでヤマンバとともにどっかにいってるので、割りとウチも自由だーってやってる。

 ヤマンバいると、間違いなくメイクの方向性で喧嘩するし?

 プリン茶色にされたら激おこだしだし?



「カツラはー、ネタならいーけどやめとこーね。髪があるタイプのみんなはー、カーラー使ったりしてゆるふわめざそー」

「うー」

「ユルフワー」



 ちゃんと返事してくれるのもいいよね。

 ウチ学校のセンセーは嫌いだけど、センセーごっこは嫌いじゃないかも。



「質問ある人ー」

「…、…」

「ハイ貞代どーぞー」

「…、…、………」

「あー、貞代みたいなー、青白系?はピンク入れよー、絶対そっちの方がかわいいし?あと貞代は、髪綺麗だから巻かなくていーよー」



 あ、貞代照れてる。

 だからその目を見開いた顔怖いから、もーちょっと柔らかくしよーって。

 ゴブリン若干引いてるからね。

 後で言っとこ。



「マオウサマー、ユウレイノコトバモ、ワカルー!」

「そりゃわかるっしょー、ダチだしー?皆ともちゃんと話できるじゃーん?」

「おーくのことばも、わかる」

「えー、割りと聞き取りやすい方じゃねー?オークって」

「ゴブリンノコトバモ、ワカルー!」

「ゴブリンはスーパー聞き取りやすくていーかんじ、おけおけー」

「「おけおけー」」



 皆顔がネックなんだと思うよ、マジで。

 だからそこをー、くまちゃんとかリボンとかでカバーしてー、あ、かわいくしよーと頑張ってるんだー!ってイメチェンしていくわけじゃん?

 クマ頭に乗せてて怖がる人はいないしー?リアルクマ除く。



「服はー、ゴブリンやオークはオーバーオールでいこっかー。あ、スケルトン?ホネホネーズは肋骨にリボン巻くことにした系?やばばばー、ちょーいいじゃーん!おそろいー!あ、貞代ワンピに刺繍したんだ、相変わらずのクオリティめちゃやば」



 多分だけれど、魔族の皆って、割りとウチと同レベルのゆるふわ頭なんだよね。

 …戦闘となると、ぶっ飛ぶらしいけど。

 まあでも、戦わなきゃいいわけだし。

 ウチの話も聞いてくれるし、乗ってくれるし?

 じゃーウチも頑張るっきゃないじゃーん。

 もー、絶対、鬼カワにデコってみせるし。

 任せろ。



 で、毎月恒例らしいOHGの日がやって来たわけで。

 でも今日の皆はひと味違うのだ。



「やーん皆ぎゃんかわー!めざせぎゃんかわー!」

「「「ぎゃんかわー!」」」



 オーバーオールを思い思いにビンの蓋やリボンでデコってるゴブリンとオーク、自分の骨を思いっきりデコってキラキラにしてるホネホネーズ、貞代筆頭に幽霊の皆は綺麗目おしゃメイクでまじ美人って感じだし、落武者系の皆も今日は頭にうさちゃん乗せてて気合いバッチリ。

 これは少なくとも怖くないわ、ホラーではないわ。

 やばばば。


 ぶさかわメイクも決まってるし、幽霊カノジョはファンデーションのお陰で二割まし元気そー、落武者ーズもコンシーラーでクマ消しバッチリ、ホネホネーズも骨にチーク乗せててなかなかいーかんじ。

 合言葉はぎゃんかわ、だ。


 ドラピッピもびっくりの仕上がりじゃんじゃん。



「あ、ドラピッピ視察?おかえりー。今から皆ゴミ拾いいくんだってー、みてこれ、ちょーかわいいっしょ」

「…いや、」

「あーくそ!やられた!アタシもメイクしてやりたかったのに!でもいいじゃーん、鬼決まってるぅ」

「…え?」

「流石ヤマンバー、ちょーわかってるー!次はヤマンバもメイクするー?あ、でもガングロNGー」

「はー?そこはイミフー」



 …これ、可愛いのか、そんなドラピッピの呟きが聞こえた。

 ドラピッピ分かってないわー。



「むしろ、怖がられるだろう」

「「ないわー/それはないですよドライ様ー」」



 あ、ヤマンバとハモった。

 でもまあとりま!



「ドラピッピはちょっと見ててみ。…じゃーみんないくよー!レッツゴー?」

「「「ぎゃんかわー!」」」



 あ、ウチも手伝ってこよー。

 皆の反応見たいしね。

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