第8話: 正 夢 出会い…
読者のみなさんは正夢を見たことありますか?
ちなみに俺はありません(爆)
それじゃ、第8話どうぞ
俺は今、空き教室にいる…。
何故かって?それはだな……
俺は百合と一緒に会議室まで歩いていた…。
「なぁ、実行委員って何やるんだ?」
「ん〜とね、まぁ、簡単に効率よく運営するために行動するんだよ♪」
「…そのまんまな気がしないでもないんだが…。」
「まぁまぁ、細かい事は気にしない♪」
「………さいですか……。」
曲がり角に来た時、それはおきた…。
【タッタッタッタッタッタ】
「きゃっ!」
「うぉっ!」
【ドシン】
「「痛ッ!」」
「大丈夫!?夜島くん!?」
「ん?あぁ、俺は大丈夫なんだが君…は……?」
「はぃ…大丈夫……です…。」
そこに居たのは始業式の日、ぶつかってしまった女の子だった…。
「あッ!あ、あなたはあの時のッ!ご、ごごごめんなさいごめんなさいッ!」
なんか、スッゲー必死に謝ってるんだがこの謎子。
「い、いや、怒ってないから…な?」
「ごめんなさい!あの時もそうでしたけど…ホント……ごめんな…さい…。」
なんか、ヤバいよ?目尻に涙が溜まってるし…なんか今にも泣きそう?みたいな?
「あの後……あなたを探した…けど…なかなか…見つから……なくて…。」
ヤバいな……マジで………どいするか……。
「ワリイ、百合。先に行っててくれ…。俺はこの子を宥めないといけないから…。」
「ううん、わかった♪先に行ってるからちゃんと宥めてあげてね?」
「あぁ。マジでワリイな…。」
「いいよ♪それじゃそろそろ始まっちゃうし、早く行くね♪」
百合は急いで会議室へと向かってしまった…。しかし、百合のタメ語ってなんか自然に出てるな?もしかして……と、その前にこっちの泣き虫ちゃんをどうにかしないと……。
まずはどっかに移動するか……さすがに此処だと人の目につきやすい。
そして、俺は女の子の手を出来る限り優しく持ってあげ、俺がとっさに思いついた場所…
「此処なら人は来ないだろ。」
空き教室へと来ていた…。
「はふ……ひくっ……。」
あちゃー、もう泣いちゃってるし……。
つか、夢様様だな…まったく…………いゃ、これ夢の通りじゃん、あれ……正夢か?
マジかよ……。おっと、また現実逃避をしてしまった…。
「なぁ、泣き止んでくれないか?頼むから…。」
「…ひっく……ご…めんなさい……うくっ……。」
う〜ん、どうするか。
強く出ると余計に泣くだろうし……かと言って弱く出ると謝り続けるだろうし………。
……しかたない…。
ファサッ
ギュッ
「ふぇ?」
俺は女の子を抱きしめた…。出来るだけ優しく……。でも、下手すると犯罪、普通にビンタもんだな……。いや、大丈夫だろうか?
「え…何を?」
「やっと、泣き止んだな…。」
「え…あ、ホントです…。ごめんなさい…。」
「もうそれはいいよ…♪」
しかし、柔らかいな女の子って…。強くすると折れそうだ…。
「ねぇ、君の名前…教えてくれないか?俺は夜島 凛矢だ。」
「あ、はぃ。私は美波 叶です…。」
へ〜、美波か…。あの人と同じ苗字だな。まぁ、そこらへんにたくさんいるだろうけど…。
「えっと…あの……はぅ……あの、そろそろ放して……貰えませんか?」
「ん?うおっ!そうだったな。ワリイ…。」
ちょっとだけ、名残惜しくも思ったがこれ以上したらまた泣かれると直感で感じた…。
「えっと……あの…ありがとうございます。凄く暖かくて、凄く安心できて、涙が止まりました…。」
「いや、俺こそ悪かったな…。急に抱きしめたりして…。」
抱きしめてを言った瞬間、思い出したのか叶の顔は真っ赤になっていた。
「えっと…その…先輩…ごめんなさい、今日もこの前も…。」
「いや、気にするな…。だが、前は遅刻しそうでって事だと思うんだが今日はなんで走ってたんだ?」
初めの時から思っていた疑問を口にする。
「あっ!忘れてた!お姉ちゃんに言われてたんだ!…それじゃ、先輩さようなら!」
「あぁ、じゃあな。」
「あっと…いつか、お詫びをするのでお暇な時にでも図書室に来てくださいね♪昼にはほとんど居ると思うので…。」
「あぁ、分かったよ♪それじゃ、また今度♪」
「はぃ、それでは。」
そう言って小さい女の子こと、叶はまた走って空き教室から出て行った。
まったく…また面白い事になったもんだ…。
改めて見た叶はとても可愛く、そして小さくて、まるで小動物を思わせた。
さて、今さら会議室に行ってもしかた無いし…。先に練習に向かうか…。
たしか、今日はサッカーとソフトを中心にやるって言ってたな。
そして、俺はめんどくさい練習のため、無駄に広い運動場へと向かうのに何故か笑顔になっていると感じながら歩くのだった…。
美波 叶……か♪
さて、これからどうなるのか…。