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第40話: 帰 路  雰囲気…

家族と静岡まで出掛けて来ました。

いや〜楽しかった♪

それでは第40話どうぞ

 

「よっ、麻美。 今帰るとこ?」

 

 俺は校門の所で美香と話しをしている麻美を見つけ、駆け寄った。

 

「えっ? 凛矢? けっこう遅かったわね」

 

 遅かった…か。 俺自身、ここまで遅くなるとは思わなかったよ。

 

「で、どんな話しだったの!? 会長の話しは」

 

「…美香…訊いても疲れるだけだぞ…」

 

 和磨は美香にそう告げた後、あの訳の分からない出来事のあった校舎に振り返って溜め息をついた。

 

「まぁ、あの会長だからロクな話しじゃなかったと思うけど…」

 

「そういや、二人とも待っててくれたのか!? 俺をっ!」

 

 今まで静かだと思ったら、このバカは…。

 

「え、私は和磨の下駄箱に靴があったから…一緒に帰ろうと…」

 

「私はあくまで美香の付き添い。 ついでに凛矢と帰えるつもりだっただけ」

 

「…なんで…なんで俺だけ誰も待っていてくれないんだっ!!」

 

 うわ〜んと泣きながら走って行ってしまった直樹に軽く罪悪感を感じた。 いや、ほんっっっのちょっとだけだけどね。

 

「……まぁ、俺達も帰るか…」

 

「う、うん、そうだね」

 

 和磨に続いて、美香も歩き出し、俺達二人はいつの間にか取り残されていた。

 

「えーっと…俺達も行きますか」

 

「え、あ、う、うん、そうだね」

 

 

 

 

「………」

 

「………」

 

 この頃、二人きりになんてなった事が無いせいか、俺達の間には沈黙と言う名の気まずい雰囲気が流れている。

 

 近くじゃない距離…。

 だからと言って、決して遠くにいる訳じゃない…。

 

 

 肩が触れるには遠すぎて…

 

 手が触れるには近すぎる…。

 

 

 俺達の距離を表しているみたいだった。

 

 和磨が幼馴染みである美香と付き合うようになって、どんなに小さい時から一緒でも、異性には変わりないと俺は改めて知る事ができた。

 

 

 でも、俺にとってはその情報は、あまり嬉しくない情報だった。

 

 今ほどに互いが互いを気にしすぎて気まずくならなかったのに。

 

「…ねぇ、話し聞いてた?」

 

「へ? 何の事?」

 

 考え事をしていたせいで聞き逃してしまったらしい。 と言うより、麻美が先に沈黙を破ってくれたようだ。

 

「いや、ごめん。 考え事してて…」

 

「まったく…。 今からリムレット行かないかって訊いたの」

 

 あれ? 何時もなら、俺のプライバシーなんて気にする事なく考えている事を知るくせに、今回は何も言ってこないのか……。

 

 

 麻美も、たぶんこの空気が嫌なんだろうな…。

 


 そう思うと、少しだけさっきよりも気が晴れた気がした。

 

「そうだな。 明日は今まで休んでたバイトを復活するし、マスターにも一応言いに行った方がいいしな。 でも、未来が心配だな…」

 

「まったく…シスコンなんだから…。 それじゃ、行こうか、奢りで」

 

「あぁ、って待て。 奢るなんて一言も言ってない…」

 

 俺の言葉をスルーするように、麻美はどんどんと歩いて行ってしまった。

 

「ふぅ、まぁ、奢ってやるか♪」

 

 

 そう言うと、その緩和した雰囲気がとても嬉しく、幸せな感じがした。

 



友達と8月に入ってからほとんど会っていない作者です。

オリンピック、頑張れ日本!!

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