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第34話: 返 事  優しき夜…

今回は少し少なくなってしまいました、すみません。


 

−Kazuma Hashimoto−

 

「ねぇ、後で部屋に来て…」

 

「…あぁ……」

 

 そう言って美香は俺の部屋を出て行った。

 

 今は夜、両親はさっきまでかなり飲んでたために、今は寝てしまっている。

 

 とうとう来た…。

 

 今日は朝に喋った以外、美香と喋ったのはさっきが初めてた。

 

 昼飯も夕飯もましてや勉強に関しても美香とは喋れなかった。

 

 いや、美香自身も喋ろうとしなかった。

 

 拒絶の言葉を言うんだろうな…。

 

『ごめんなさい…』

 

『な…んで…』

 

『私、好きな人がいるんだ…』

 

『え、それって、まさか…』

 

『うん、私の彼氏の直樹♪』

 

『よう、和磨、よろしくー♪』

 

「……………あり得ん……」

 

 俺は頭をぶんぶんと振って『最悪』な考えを振り払った。

 

「…そろそろ、行くか……」

 

 そう呟いて、俺は美香の使っている部屋に向かった。

 

 

 

 

 コンコン

 

「開いてるよ」

 

 俺は美香の声を聞くと、一度深呼吸してから部屋に入った。

 

「…話しって、昨日の…だろ……?」

 

 何を言われるんだろう…。

 

 断られるだろうな、はぁ…。

 

「うん、返事……するね…。」

 

 美香はそう言うと深呼吸を一回して言った。

 

「…すぅ…はぁ…。…いいよ…♪」

 

「…ふぁ……?」

 

 俺は美香が何に対して言ったのか柄にもなく、間抜けな声を出してしまった。

 

「………いいよってどういう事だ……?」

 

 なんとか落ち着かせて美香に聞くと、美香が少し顔を赤らめながら言った。

 

「何って、昨日の返事だよ…////」

 

 昨日の返事? いいよ?

 

「…それってつまり、恋人になってくれるって…事か……?」

 

 俺がそう言うと美香は少しむくれながら…


「だから、さっきから言ってるじゃんか////」


 と、顔が紅いままで言った。


 正直言ってかなり可愛い。でも、俺には聞かないといけない事があるからな…。


「…な…んで……。…拒絶してたんじゃ……」


 俺は出来る限り平静を装ったが、どもってしまった。


「拒絶!? 私が? しないよ、そんな事。」 

「…だが、今日話しかけて来なかったろ……?…それに、昨日もゴメンって……。」

 

 俺はどうしても信じられず、また聞き返してしまった。

 

「昨日のゴメンは今は返事出せないのゴメン。話しかけなかったのは和磨が話しかけてほしくないような雰囲気してたから。 わかった?」

 

 美香は説明してくれたが、まだ信じられない俺。

 

「…だ、だが…「チュッ」…!!…」

 

「ふう、これでも信じられない?」

 

 俺がまだ何か言おうとしたところを、美香は口を封じるように口付けをしてきた。

 

「いや………信じる…。」

 

 俺はそう答えていた。

 

 美香の瞳を見たら…

 

 美香のキスから…

 

 美香の笑顔から…

 

 美香の言葉から…

 

 想いがありありと伝わってきたから…。

 

「私も愛してるから、昔から…たぶん小学生の時から好きだった。 これからは、もっと近くでもっとたくさん一緒にいれる…よね?」

 

 美香はそう言って上目遣いで顔を覗き込んできた。

 

「あぁ、愛してる、美香。 今までも、そしてこれからも。」

 

 そう言って互いに見つめあった俺達はどちらからともなく、口付けをした。

 

「和…磨……ふぁ…。 大…ふ…き……ぁぅ…。」

 

 俺は美香のその艶っぽく赤らめた顔を見て、歯止めが利かなくなってしまった。

 

「…ふぁ…ん……和…磨ぁ……。」

 

 俺は美香と抱き合いながら、同じベッドで共に過ごした。

 

 

 また、変わっていく日常…

 

 変化は何時も訪れる…

 

 叶った恋、届いた想い…

 

 夜は優しく包み込んだ……。

 

 



そろそろ和磨の恋編は終わります。

もし、感想や要望、疑問があったら送ってください。

では次回

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