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第32話: 告 白  想い…

和磨の恋、後少しでラストです。

 

「…どういう…事だよ……親父…。」

 

 俺は驚きを隠せずに親父に問いただす。

 

「この話はここで終了だ♪ 未来と母さんには内緒だぞ。 のぼせない内に上がれよ?」

 

 そう言って親父は風呂場から出て行った。

 

「お、おい! 親父!」

 

 俺が呼んでも親父はのぼせるなよ?と言うだけだった。

 

 俺は湯に口まで浸かりながら、さっきの話を考えていた。

 

 …嘘か……誠か…

 

 いや、俺にはわかってる。『俺はそいつらと戦ってる。』と言った親父の背中、それを見たら嘘じゃないって事ぐらい、わかる。

 

 でも、何故なのか、いつか訊いてみたいと思える程に、俺は興味がわいた。

 

 いつか、話してくれよ、ちゃんと……

 

 …親父……。

 

 

 

 

−Kazuma Hashimoto−

 

ゴールデンウィーク1日目の夜、美香は俺の部屋に来てマンガを読んでいた。

 

「…そろそろ、寝たいんだが……。」

 

 俺は朝とか昼間の事により、多少疲れたのか、今日は何時もより早く眠くなった。

 

「え? あぁ、ゴメン。…………。」

 

 美香はマンガを片付けると、黙りこんでしまった。

 

 それでも、早く寝たいと思った俺は布団に入り、目を瞑りながら訊いた。

 

「…どうした……?」

 

 俺がそう言うと、美香がこっちを振り向いてわざとらしく咳払いをしてから話し始めた。

 

「ゴホン……え〜っと…そういえば、昔さ、よく一緒の布団で寝てたりしてたよね〜。懐かしいね〜。」

 

 なんとも、ぎこちなく、そしてわざとらしく語りだした美香はそんな事を言いだした。

 

 わざとらしいにも程があるな…。 こら、目が泳いでるぞ、美香。

 

「…そうだな……。」

 

 俺は淡白にそう答えて再び目を閉じた。

 

 何分経ったのか、俺の意識は夢の中に旅立ち始めた頃、俺は布団が浮く感覚で再び現実に戻ってきた。

 

 もぞもぞ

 

 誰かが入ってくる感じがして、薄目を開けると、目の前には美香の姿があった。

 

「!?…な、なにしてるんだ……!」

 

 俺がそう言うと、美香は目を開けて微笑んだ。

 

 ドキンッ

 

 俺はその微笑みを見た瞬間に再確認した。

 

 俺は、美香が好きだ…。

 

「…ねぇ、一緒に寝ていいかな…?」

 

 美香は伺うように俺を見上げながら訊いてきた。

 

 上目遣いは反則的だぞ、美香…。 しかも、密着度もかなりだから理性がヤバいと思った俺は、目を逸らしながら言った。

 

「…あぁ、いいよ……。…それに……いや、なんでもない……。」

 

 俺は美香の目をジッと見つめてみたが、やはり告白する程の勇気はまだ出なかった。

 

 さっき、サラッと言えればよかったのに…。 いや、そんな言い方じゃ相手に伝わらない…。 伝えるなら、ちゃんと目を見て言わなくちゃな…。

 

 俺がそんな事を考えていると、美香が口を開いた。

 

「ありがと。 でも、やっぱり恥ずかしいね、これは////」

 

 その時、俺は美香がとても可愛くて、理性も限界で、美香を抱きしめた。

 

「えっ、ちょ、どうしたの、和磨?////」

 

 美香は驚きと恥ずかしさから顔を真っ赤にしていた。 それが俺には余計に可愛く感じて、言葉を止める事ができなかった。

 

 少し前まであった、関係が壊れるかもしれない怖さなんて、すっかりなくなっていた。

 

 いや、壊れる筈ないと思ったから口からこの言葉が出た。

 

 感情の籠った声と共に…。

 

「美香、愛してる。」

 

 

 

 


−Mika Imai−

 

「美香、愛してる。」 

 和磨の口から紡がれた言葉。

 

 その一言は私を驚愕させるには充分すぎる言葉だった。

 

 初めて聞いた、感情の籠った和磨の声。 それは、とても優しくて、暖かい言葉だった。

 

「少し、考えさせて…。」

 

 でも、私にはまだ今の関係を変える程の勇気が無かった。

 

 このゴールデンウィーク中に告白するとは決めていた。

 

 でも、和磨が同じ気持ちだったなんて…。

 

「な…んで…?」

 

 心の中では、和磨に告白して欲しいなんても思った。今も凄く嬉しいし幸せ。 でも…

 

「私、今の関係を壊す勇気が、今無いの…。 ゴメンね、明日まで待ってね…。 ちゃんと自分の中で答え出すから…。」

 

 私は、和磨が告白してきてくれるなんて思ってもみなかった。 望んではいたけど、只の妄想でしかなかったから。

 

「…わかった……。…明日、返事を聞かせてくれ……。」

 

 和磨はそう言って静かに目を閉じた。

 

「…ゴメンね、和磨。 私も、和磨の事愛してるから…。昔から、ずっと…。」

 

 そう小さく呟いた私は、和磨に寄り添うようにして、そのまま目を閉じた。

 


 

 

 

 

−Kazuma Hashimoto−

 

 俺が目を覚ますと、隣では俺にくっつくようにして寝ている美香がいた。

 

 昨日の事が嘘じゃないと俺に告げる。

 

「ふぁ、おはよう、和磨〜。」

 

 どうやら、美香が起きたようだ。 寝起きも凄く可愛い。 抱きしめたい衝動に駆られたが、ぐっと堪えた。

 

 ガチャ

 

「もう朝よ〜って、あれれ……お邪魔しちゃったみたいね…ごゆっくり…。」

 

 母さんが入ってきた。 なんて間が悪いんだ…。

 

「ふぇ? お、おばさん!? こ、これはその、えっと、っておばさん!?」

 

 テンパっている美香を置いて、母さんは部屋を出て行った。

 

 今日、俺達の関係が変わる……

 

 善くも…

 

 悪くも…。

 



あまり、困難とかは書かないつもりです。

あくまでもラブコメなんで。

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