第1話:目覚めと朝 幼馴染み…
さて、第1話が完成しました。
まだ、どれぐらい書いたらいいかが定まらないのでたしょう少なかったり多かったりするかもしれません。
それでは第1話どうぞ。
「ふあぁ〜〜ぁ」
かなり眠い、いやマジで。
気分は確実にいい。なのに眠い。いや、むしろ気分がいいからこそ眠いのかもしれない。いや、きっと敷布団閣下と毛布王妃が俺を暖かい愛情で包み込んでくれるからだろう。いやいや、もしかしたら昨日の夜更かしが原因zy………ぐぅ…。
「起ッきろーーーーーーーッ!!」
【グシャ、ドカバキボコバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシ】
「おはよー♪凛兄ぃー♪」
「あぁ、おはよう、未来」
こいつは妹の夜島 未来。俺の一個下で今年から高校1年生になるピッチピチの新入生だ!しかもなんの因果か俺と同じ学校だ。
まぁ、今さらだが俺も自己紹介だ。俺は夜島 凛矢。まぁ、ただの高校生だ、よろしく!
それより、なんか忘れてる気がする……………ピコーン!
「思い出したッ!未来ッ、テメェ殴って起こしやがったな!!?マジで痛ェんだぞ!?」
「だって呼んだけど起きないんだもん!凛兄ぃが悪い!」
「ぁあ!?だからって実の兄を殴るとはいい度胸じゃねえk……ごめんなさい…」
「分かればよろしい♪」
いや、だってマジで怖いし。口は笑ってんのに目笑ってないし。なんか挽き肉にするぞって感じの眼力(アイビーム〈俺、命名〉)をひしひしと感じるし。たぶん目を合わせたら俺は死ねるかもしれない。「今日は始業式なんだから早く朝食食べよ?せっかく私が作ったんだし…。」
そう、俺の家は今、俺と妹の二人暮らしだ。父親は仕事で地方を転々とし、母親はその付き添い兼仕事仲間だ。まぁ、近くの時は3ヶ月ぐらいでヒョロッと帰ってきたりするし、不定期だがメールもきたりするし、仕送りもしてくれる、なんだかんだ言っていい両親って事だな。
変わり者ではあるが……。
「凛兄ぃーッ、早くーッ!」
「今から行く!」
さてと考え事しながらでも着替えちゃったしそろそろ行くか。時間もヤバいし。
「おっと、忘れるとこだった」
ドアノブをひねりかけて大事な物が無いことに気付いた。
「これだけは忘れないようにしないとな」
左腕にその銀色の腕輪をはめて一階に向かった。
「さて、そろそろ行くか」
未来が毎日作ってくれる朝食を感謝しながら食べ終わった俺はそろそろ学校に行こうと未来に言った。
「うん、そうだね♪時間もキツくなってきたし♪」
さて、未来の了承も聞いたし、マジで行くか。
家を出た時、ちょうど前の家から女の子が出て来た。
「おはよ、凛矢♪」
「あぁ、おはよー麻美」
この活発そうなショートヘアの女の子は穂村 麻美だ。小さい頃から俺の家の前に住んでいてまぁいわゆる幼馴染みだ。けっこう可愛い顔をしてはいるからかなりモテはするんだが、いかんせん……ジー……。
「何、胸見てんのよッ!」
「いや、胸が無いなって……ボコッ」
「大きなお世話よッ!」
殴られた。そんなに気にしてんのかな?まぁ、小さいよりは大きい方がいいが、小さいには小さいなりに長所と言うものが……
「なにニヤニヤしてんのよ…」
「いや、小さい胸も可愛いげがあっていいなって思って。」
「な、ななななに言ってんのよッ!変態ッ!」
【ボスボスボスボス】
「痛ッ!わ、悪かった、俺が全面的に悪かったからッ!」
「分かればいいのよ……分かれば…」
まったく、褒めたのに普通は殴るか?まったくもって意味が分からん。
「はぁ、さっさと行こうぜ?未来、麻美」
「了ー解ッ」
「わかったわよ……もぅ…」
そして俺達はいつもの通学路を妹も含めた三人で歩くのだった。
三人で学校に向かってると、曲がり角につっ立っているよく見知った人物を発見した。
「よッ、直樹。何やってんだ?」
こいつの名前は姫宮 直樹、高校に入ったすぐに一番最初に話かけてきやがった奴だ。しかも、こいつは顔がイケメンの割に『俺は絶対エロゲの主人公的男になる!!』とかほざいてる変態だ。そのせいでまったく女子にモテない。もったいない奴だ…。
「あ?…あぁ、なんだ凛矢か。何してるかって?見て分かんない?」
「曲がり角でキョロキョロしてるとしか分からんが?」
実際、こいつはキョロキョロしてた。もし俺じゃなくて別の誰かだったら捕まってるな確実に。
「で?何してんだ?遅刻するぞ?」
ここから学校まではそんなに離れてはいないが時間が時間だけにそこまでゆっくりはしていられない。
「はぁ、コレだから凡人は困る…待って、謝るから殴ろうとしないで」
こいつに凡人とか言われるとかなりムカつく。と言うよりこいつにバカにされるとかなりムカつく。
「で?何やってたんだ?」
「はぁ、今日は何の日だ?」
今日?今日は…
「今日は始業式だよ〜♪」
未来が先に答えてしまった。まぁいいけど……。
「そう!その通りだよ未来ちゃん!今日は新学年の始業式、新学年の始業式と言えば、出会いだよ!!」
「「「出会い?」」」
「そう、新学年の始業式と言えばエロゲの王道!遅刻しそうな美少女と曲がり角でぶつかるハプニング!なぜか怒られて、知らぬまにいなくなってる謎の美少女!そして朝のホームルームで再会する二人!そして始まる二人の恋!そして築きあげるハーレムアイ…」
「遅刻しちゃうしそろそろこんなバカ置いてとっとと学校行こう、未来、麻美」
いささかこいつのバカさ加減に疲れを憶えた。
「了〜解ッ、聞いてて疲れるしね♪」
「うん、こんな変態にかまう必要はないって、ホントに呆れるほど救いようの無いバカさだよ…」
二人とも同じことを思ってたらしい。当たり前だが…。
【ボコッ】
麻美がバカを殴ってから俺の隣に来た。
「しかし、ホントに遅刻しそうだな?なぁ未来、時間大丈夫そう?」
「う〜んと、まぁ大丈夫かな。………このまま平和に行けば…。」
なんだ、その間は…。
【タッタッタッタッタッタ】
「わーッ、どいてーッ!」
なんだ?誰かの声が聞こえた気が…
【ドシンッ】
「「痛ッ!!」」
「「あ〜〜ぁ、やっぱり」」
女の子がぶつかってきやがった。まぁ、俺はそんなに痛く無かったんだが……。
なんで痛ッって叫んだかって?……ノ・リ・さ☆
うん、けっこう可愛い女の子だな、背も小さいし小動物みたいだ。リボンからすると1年か。俺の通う高校は、学年によって女子はリボン、男子はネクタイの色が違う。
「ぃっっっ」
「大丈夫か?怪我は?」
「えっ?あ、はい、ありません……ぃっ…」
「やっぱり痛いんだろ?見せてみ?」
「えッ!?い、いや、いいです、けっこうです、大丈夫ですから、それじゃッ!!」
女の子はシュタッて疑問符が着きそうなぐらいの速さで駆けて行った。
「あっ!ヤバっ!遅刻しそうだよ!?凛矢」
「マジか!?何時!?」
「今はね〜8時20分だよ?凛兄ぃ♪」
ここから高校まで10分ぐらい、ホームルームが始まるのが8時30分、でも、門が閉まるのは25分だから…残りは5分!?
「マジでヤバいじゃねぇか!ダッシュだダッシュ!!」
「初日からダッシュなんてな〜♪」
「うわっ、最悪だよもぅ…」
俺達はダッシュで走り始めた。
一人の変態バカを残して……。
−Naoki Himemiya−
「チクショーッ!なんでアイツがちゃっかりぶつかってんだよーーッ!!」
直樹が遅刻したのは言うまでもない……。
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