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虹音  作者: 知奈津
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1st movement Ayame-1

 「彩芽!もう実知ちゃん来てるで!」

 「嘘やん!待って!」

 寝坊した。実知のことはほぼ毎日待たせてしまっている。もう三月だ。卒業まであと少ししかない。ラスト何日かくらいは待たせないようにしようと思っててんけどな、寝坊する癖はなかなか治らん。

「いってきます!ごめんお待たせ!」

「おはよう。また寝坊?勉強のしすぎじゃないの?」

 実知はいたずらっぽく笑いながら言った。そう、卒業までもう少しということは、公立普通科狙いのうちらの受験ももうすぐだ。ただ、うちが寝坊するのは勉強してもしなくても変わらない。

「うーん、やるにはやったんやけど、微妙やねん。やっぱり数学意味わからへんし、正直集中もできへん」

「数学はまだ簡単だよ。ひとつ解き方覚えたら十個問題解けるもん」

「実知毎回そう言うけど、それは実知が理系やからやで」

「つかりん、文系だもんねー。実知は社会とかワーク開いただけで眠くなる」

 でも、実知はうちよりもかなり頭がいい。テストは満点も珍しくなく、授業中に発表もしっかりしている。確かに志望校は一緒やけど、受かる確率は倍違う気がする。

「今日ちょっと数学教えてくれへん?」

「いいよー。どうせなら勉強会ってことで一緒に勉強しよ。ひとりじゃ集中できないし」

「あと誰か誘う?」

「沙里は?」

「そうやな、志望校一緒やし」

 志望校は園木高校で、市内の公立では一番偏差値が高い。

「じゃあ決まりね」

「もうあと十日くらいやんな?ほんまにやばいわ」

「そう?まぁ、どうにかなるでしょ」

「実知は内申点高いから余裕やろうけど…」

「いや、社会がこのままだとさすがにまずいと思う」

 社会以外は大丈夫ってことやんな。うちはまだまだ努力せなあかんよな…。

 本編始まりました、とはいってもまだ何も起こっていません。お気づきの通り、舞台は関西となっております。実知は標準語ですが。その理由もそのうち出てきます。この二人、お互いの家はそこそこ近いですが、学校は遠いです。話しながら歩くと二十分は少なくともかかります。というわけで、次回も登校トークになりますがどうぞお付き合いください。

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