終幕後 ――妃十五歳⑨
――そして夜。
「――それで陛下、結局一体、何がどうなってたんだ? 陛下達は何をしていたんだ?」
「それはねー妃……あーそこそこ、もうちょい上強めでー」
「わかったぞー」
ぽこぽこぽこ、と私が陛下の肩を叩く音が響く陛下の寝室で、私と陛下は寛いでいた。
肩叩きは子供の頃から始めた夫孝行だが、そういえばこれも随分と久しぶりだな。……一見細いが意外にも固く、しっかりとした陛下の背中がなんだか懐かしい。
「――要するに、私は駄目になりかけていた、とある国同士の政略結婚を仲介し直して、取り持ってあげたのさ。……恩義を売る目的でね」
一方私に叩かれている陛下は、一仕事終えたせいかのんびりと寛いで、私の質問に答える。
「リュルキス族は、ここから西に広がっている地中の海沿岸に領地を持つ、海の民だ」
「地中の海……というと、西の大国ロルマ帝国の南側に広がっているっていう?」
「そう。リュルキス族は、その地中の海を拠点に船を出して、西のロルマ帝国と東諸国との海路交易を取り結ぶ、言わば廻船問屋の一族」
「商人だったのか。随分と物騒に見えるおじさん達だったが」
「海の上は、荒事も多いからねー。……海の民は利益を上げるために、他の部族の積荷を襲ったりもするし」
「それ、海賊って言わないか?」
「うーん、兼業海賊?」
嫌な兼業だ。
「まぁそれはとにかく。海洋航路でも商売でも強いリュルキス族は、治めている土地こそ小さいが、ロルマ帝国周辺諸国の中じゃ侮れない勢力となっていてね。海洋交易のコネを欲しがっていたティーナー姫の故国は、そんなリュルキス族と手を結んで損はないと、縁組みを画策したわけ。そして、リュルキスの方もそれを了承した」
「ふーん。よくある話だな」
絵に描いたような政略結婚だが、双方合意なら特に問題もなかっただろう。
「……よくある話だったんだけどねぇ、まず合意した後で問題が起きた」
「問題?」
「うん。ティーナー姫と結婚するはずだったリュルキスの族王が殺され、王位が簒奪されたんだ。――あのおじさんだよ」
……あー。そういえば、あのおじさん簒奪者って言われてたっけ。……本当に、王家を乗っ取った人だったんだなぁ。
「まぁ……簒奪された族王ってのがあまり出来が良くなかったらしくて、リュルキス族は大喜びで新しい優秀な族王を受け入れたんだが……ティーナー姫の故国、というか、ティーナー姫は改めて申し込んできた婚姻話に激怒してね」
「そりゃ……こっちが死んだから新しい次の王の妃に、なんて切り替えるのは心情的に難しいんじゃないかな」
そういうのは、少しわかる。……私だって、以前陛下に自分が死んだら次の王と結婚しろと言われ、反発を覚えたんだ。
「いや、調査報告によると、簒奪された前王への義理というより……ティーナー姫は新しい族王が野蛮でブサイクだった事に、怒ったらしいよ」
「え……優美な美形だったら、簒奪者でも許されてたのか?」
「そうかもしれない」
あの女……どうなんだそれは。
「美貌を誇り、そんな自分に相応しい夫を期待していたティーナー姫としては、許し難い侮辱だったんだろう。……それで、二国間の交渉は随分難航してね。時間もかかってしまった」
ふーん、大変だったんだなぁ。……女狐のワガママに付き合わされた人達が。
「それでもなんとか話がまとまり、嫁入り行列がリュルキスに出発したんだけど……ちょうどその頃、東の勢力争いに敗れた兇奴の一団が、西域を強襲したんだ」
あ、ウチの国に攻めて来た兇奴か。
「時期としては、兇奴がトルキアを攻める少し前だ。西域に流れてきた兇奴達とティーナー姫の嫁入り行列は、色々な不運が重なって、丁度良く遭遇してしまったのさ」
「うわー……時期が悪い」
「まさにそれだよ。……やれやれ。ティーナー姫がさっさと素直に嫁入りしていれば、こんな事にはならなかったんだろうけど」
そう皮肉げに言う陛下だが、やや同情もしているようだ。……まぁ、ティーナー姫に責任が無いとは言わないが、これは、事故みたいなものだったんだろうしな。
「馬術を駆使した兇奴の強襲は、対処を誤ると恐ろしい威力を発揮する。嫁入り行列は護衛達を殺され、ティーナー姫と女達は兇奴の囚われの身となってしまった」
それは、流石に同情する。
「そして、来るはずの花嫁がリュルキスに行かなかった事で、政略結婚と同時に同盟を結ぼうとしていた二国間にも、無用な緊張が走ってしまったんだ」
「そうか……約束が守られなかったんだから、双方疑い合い、疑心暗鬼に陥ってもおかしくない状況だな」
「ああ。……消えた花嫁を巡って、約束を破った、破らない。何かしたんじゃないか、しない、そっちこそ……と、二国間の関係は、かなり混乱しながら悪化していったんだそうだ。下手をすればこのまま一戦、なんて状況も充分にありえた」
「うわぁ……」
なんという大迷惑な状況になってしまったんだ。
別に全ての責任を、ティーナー姫に押しつけるわけじゃないが……王族のワガママって本当、何を招くかわかったものじゃないな。私もワガママするときは、気を付けよう。
「――で、そんな二国間の現状情報を、戦地で私が宰相から受け取ったわけだ」
もういいよ、と付け加えた陛下は、肩叩きをやめた私の隣に腰掛け直して話を続ける。
「宰相って、城で留守番してた、ウチの宰相からか?」
「勿論、ウチの宰相からだよ。宰相は留守を守りつつ周辺諸国の動向にも気を配り、間諜から送られて来た情報の正誤も確認していたんだ」
「宰相……大変だったんだな」
「実に頼りになる爺様だよ」
老骨を労ってくだされ~っ、という宰相の悲鳴が聞こえたような気がした。
「宰相は間諜から、ティーナー姫が兇奴の囚われ人になっている報告を受けてね。私に『できる事なら救出してほしい』と、伝令を送ってきたんだ。……うまくやれば、政略結婚騒動で険悪になっている二つの国に恩を売れるから、と」
「善意じゃないんだな」
「なにそれおいしい?」
「……」
どうしよう。陛下の笑顔がとっても黒い。
「……そんな腹黒い陛下達はともかく、ティーナー姫達は救出されたんだな」
「そうだね。色々あったようだけど、とりあえず五体満足無事で救出できたのはよかったよ」
何かを思い出したのか、陛下は僅かに眉根を寄せた。……色々、ね。
「そして私と宰相、飛刃他信頼できる家臣達は、拗れていた二国の政略結婚を修復すべく、あれこれ画策する事になったんだ」
「……さっさとリュルキスに、花嫁を引き渡して終わり……」
「で済むと思う?」
……思わないな。
「その気はなかったとはいえ、リュルキス族王は婚姻の約束を破られ、そのあげく蛮族の虜囚となった『傷物』の姫を妻として押しつけられる事になってしまったわけだ。そりゃ、はいありがとうございますと喜ぶはずもない」
酷い言われようだが、蛮族に囚われた娘がそういう目で見られる事は、判る。
「あのおじさんは、そういうの気にしそうもないけどな」
「うん、リュルキス族王自身はそうだろうさ。……でも対等な政略結婚というのは、双方の立場を尊重しなくてはならないものだからね」
「立場……か」
「―― 一方的に、蛮族の慰み者になった傷物を正妃として押しつけられ、我慢させられた――なんて状況は、リュルキス族王が、ティーナー姫の故国から侮辱されたのも同然だ。……本人の考えはともかく、それはリュルキスの王としては、絶対に受け入れられないだろう」
面倒だが、それが『政略』結婚というものなんだろう。
「――とはいえ、ティーナー姫の故国にはもう年頃の未婚の姫はいないし、リュルキス王自身は、好みの美姫であるティーナー姫をもらう不満は無い。――という情報も、私達は手に入れていたからね。うまく間を取り持てば、両者を無事結婚させる事は可能だろうと判断し、そして動いた」
「恩を売るために、か」
「そう、恩を売るためにだ。……両国からもらった、成功報酬は悪くなかったよ?」
「へぇ」
それが、ここしばらく陛下達が、戦後処理の裏で企てていた事か。
そしてその企ては今日成功し、リュルキス族王とティーナー姫の政略結婚は、無事(?)まとまったというわけだ。
昼間の騒動、はそういう事なんだろう。
「……陛下達、大変だったんだな」
「うん。特に情報を処理しつつ交渉に当たった宰相と、私の代理として両国に赴き、折衝に当たった飛刃は、終戦以降休み無しの重労働だった」
「うーん……」
大体の事情は判った。
……判ったけど、まだ疑問は残ってる。
「……陛下」
「なんだい、妃? ……まだ聞きたい事はあるかな?」
そしてその疑問は……私の意志でちゃんと尋ねなければ、答えてくれないようだ。
……ちょっと、意地悪だ。
「……陛下は……なぜティーナー姫に、まるで恋人のように優しくしていたんだ?」
口に出すと、仲睦まじい二人の姿を見た時の、嫌な気分を思い出してしまった。
「……嫌々政略結婚の道具にされ、兇奴に攫われ傷つけられた御気の毒な姫君を、お慰めしたいと思うのはおかしいかな?」
「……嘘だな?」
「ああ、嘘だよ」
陛下の笑顔は、精巧に作られた人形のように上品で綺麗だ。……これはわざと作った、冷淡な王族の顔。
「……汚い事実を覆い隠すには、華やかな嘘がちょうど良い」
「……?」
「政略結婚が拗れてしまった最大の原因は、『ティーナー姫が、蛮族とされる兇奴にさらわれ、傷物にされた』……という事実だ。ならばそれを、三文悲劇の恋物語ででも、覆い隠してしまえばいい」
……それは、つまり……。
「……ティーナー姫がトルキア王国に来たのは、兇奴にさらわれ救出されたから……ではなく、愛しい『恋人』の陛下に、逢いに来た。――そういう事に、したんだな?」
私の想像は、当たっていたようだった。
陛下は冷淡な笑みを微かな嘲りに歪め、小さく肩を揺らす。
「君のような少女には、まだ判らないかもしれないけれどね。……『蛮族に傷物にされた女を押しつけられた』よりも、『高貴な王が愛した女を、その力で奪ってきた』の方が、まだリュルキス族王の、男としての面子は立つんだよ」
面子か。……なんとなく、感覚として判る……ような気はする。
「……でもそれじゃあ、陛下が恋人を奪われた、情けない男になってしまうぞ?」
「恋は所詮恋。泡沫のような美しい一時を過ごし、失恋に涙を飲んだ。……私は既婚者だからね。そのくらい悲劇の主人公ぶってれば、あとは周囲が納得してくれるのさ」
「そういうものなのか?」
「そういうものなの。……幸いというか、リュルキス族王とはそれなりに仲良くできそうだし。恋のさや当てが産んだ男の友情とか、適当に取り繕っておけばなんとかなる」
「へぇ……」
恋敵から友達に……か。摩訶不思議な男の友情なら、可能だろうか。
「勿論ティーナー姫に手は出してないし、万一を考えて、ティーナー姫と会うときは必ず近衛や女官を同行させていたから、不貞は無かったと堂々していられる。……あとは宰相が、各方面に間諜達を飛ばして、この『悲しい恋物語』を広めてくれれば後始末も完了だ」
「悲しい、恋物語……」
「……ああ、夢見がちなお姫様の理想を演じるのは、疲れたよ」
ゆったりとした布張りの椅子に腰掛けた陛下は、そう言うと椅子に身を預け深々とため息をついた。
「……」
……そうか。……この人は。
「……つまり陛下は、テイーナー姫を騙したんだな。騙して、傷つけた」
「そうだよ」
「……人を傷つける嘘はいけないと、私は陛下から教わった」
「そうだね。……王族としての自覚に欠ける、浅慮な尻軽女だったけれど、だからといって心を弄び、利用していいわけじゃない。……自分がやった事の卑劣さは、よく理解しているよ」
「後悔しているのか?」
「していても、必要ならまたやるよ」
……そうだよな。
「……陛下は、そういう人なんだな」
「幻滅したかい? ……君にはできる限り、そういう……帝都にいた頃の顔は、見せていなかったから」
気が付くと、陛下の顔は、元の穏やかな……でもちょっと困ったような、焦っているような、面白い顔に戻っていた。
……ああ、いつもの陛下だ。
「……陛下は」
「……妃?」
「陛下は……多分自分の悪い部分が、好きじゃないんだな」
私は座っていた椅子から立つと、向かい合って正面から、陛下を見つめる。
「……はは」
陛下の苦笑が深まる。
「……そうだね、君の言うとおりだ妃。……君には、私のようになって欲しくはない。……私は、自分の隆武帝国皇子として学んだ、暗い部分が嫌いだよ」
「そうか」
「だから……君をできる限り陰謀からは遠ざけ、情報を与えなかったのも認めよう。……できる事なら、これからも関わっては欲しく……ないんだが」
「それは無理だな」
「……そう、だよね。……もう君は、子供じゃない」
「そうだ。私は子供じゃない。……一人の女で、貴方の妃だ」
「きさ……――っ」
驚いたような声を無視して、正面から抱きしめてやる。
……そうか。これが貴方か。……いや、もっともっと、色々なものを腹に抱えている貴方の、一面か。
「陛下、私は今回の事で、一つ判ったことがある」
「……ん?」
「……貴方の信頼は、愛では買えない」
私を愛している貴方は、でも私を……謀略の共犯にできるほどは、信頼してはいない。
「……それは、そうだろう妃。逆を言うと、私は飛刃や宰相を特に信頼しているが、別にあいつらを愛しているわけじゃない」
「……そ、そうだな。彼らが恋敵だったら、すごくイヤだな」
「それは天地がひっくり返っても絶対に無いから、安心しなさい」
こっちから願い下げっすよーっ。
……という飛刃の声が、隣の部屋に続く扉の隙間から聞こえて来た。……今夜は詰めているのか。いや、そんな事は今はどうでもいいんだ。
「――でなっ、陛下っ!」
「う、うん?」
私が言いたいのはだな――陛下っ。
「――でも陛下、私は陛下の、愛も信頼も全部欲しいっ」
「っ……妃」
「陛下が醜い部分を、全てさらけ出してもらえるほどの信頼を、私は得たいんだっ」
――貴方が安心して全てを託せる、唯一になれるくらいに。
「……君は」
陛下を抱きしめながら宣言してやると、陛下の心音が小さく跳ねるのが判った。
驚いたか陛下? ……世間知らずな小娘がって、呆れるか?
……今は、それでもいい。
「……私は、これからもっと成長するぞ……陛下」
「そうか……」
「だから、期待していてくれ」
「……」
抱きしめた陛下の身体が、微かに揺れた。
……笑っているのか? ……本気だったんだけどな。
「……ありがとう」
……えっ?
「……確かにこの状況には、期待してしまうよ妃?」
「え――ええっ?!」
背中に手を回され、立ち上がった陛下にそのまま抱え上げられた。……こ、これは俗に言う、お姫様だっこというものではないだろうか?
そのまま陛下は部屋に掛けられている御簾を越えると、その奥にある寝台へと進み、私をそこに下ろす。……こ、れは。
「……これ以上ないくらい、君を愛おしく感じたよ」
「……っ」
「リディア……いいかい?」
……断る理由は、何も無いな。
そうなるかもしれない、と、私はここに来る前女官達に支度させられたし……寝台の周囲に設置されたテーブルには、どうやらそのための物らしい薬が道具が、あれこれと用意されているんだから。
「……勿論だ、令」
緊張と、ほんの少しの不安を見せぬようにして、私は王妃らしく、堂々と顔を上げ――そして懐に入れていた、秘伝書を掲げ宣言する。
「さぁ、存分に愛し合おうっ! ――私はこの秘伝書に書かれた、どの体位でもどんと来いだっ、受けて立つぞ!!」
「…………」
――令は無言で私から閨房秘伝書を奪い、ゴミ箱に放り込んだ後私を押し倒した。
私の事前努力は、伝わらなかったらしい。
……ちっ、話のできない人だ。
隆武帝国属国、初代トルキア国王妃リディア(隆武名虎娘妃)。
隆武史上でも屈指と名高い絶世の美女は、隆武帝国に攻め滅ぼされた亡国の王女、という悲劇の出自がその美質を磨いたのか、枚挙にいとまがないほど美姫伝説が存在する。
中でもまだ幼児期に、その美貌に血迷った、隆武の皇子(初代トルキア国王昂令の実兄弟)に求婚されたというエピソードは有名であり。
その伝承を真剣に検証し、求婚したのは隆武史上初の南洋大航海を果たした探検家である、第六皇子昂雨だ。という研究結果を発表した研究者まで存在する。
勿論これは史実とは到底考えられない、後の創作伝承という見方が一般的だが、リディアが登場する歴史小説などでは、必ずと言って良いほどそのエピソードは採用されている。
それほどまでに美しかった、と誇張するには丁度良い伝説だからだろう。
そんなリディアだが、意外にも王妃としてはその美しさではなく、夫を支えた賢妻としての面が評価されている。
隆武で名を残す美女の多くが、文字すら読めないまま、権力者に愛され大人しくその庇護下にあっただけだったのに対し、リディアは男顔負けの教養と実務能力を身につけ、時には夫である初代トルキア国王に意見する事すら恐れず、その治世を強く支えた。
成人後のリディアと会った、六代目隆武皇帝(初代トルキア国王昂令の長兄)も。
[――義妹(トルキア王妃)は大変美しいが、それ以上に驚かされたのは、彼女の知性と教養である。義妹は隆武語、旧トルキア語を始めとして、キリシャ語、ペラシャ語、テラン語など、ロ西域周辺諸国の言葉まで自在に操り、諸国の文化や時事情勢にも明るく、はっきりと自分の意見を言うが、同時に会話する者を自然と和ませ、楽しく会話させる社交術にまで長けていた。彼女が弟(トルキア国王)の政敵でなかった事は、幸運だ――]
と、リディアを評価している。
これは男尊女卑だった当時の女性に対する驚嘆すべき評価であり、同時に現代では、当時『賢しらの生意気女』と疎まれかねなかったリディアを、王妃として大切に遇し頼りにしていた、初代トルキア国王の人間的評価にも繋がっている。
そんな初代トルキア国王は、妃であるリディアを最も信頼していたとされ、その死の間際、リディアにこう残したとされる。
[――我妃ニ全テ託ス]
その遺言通り、リディアはまだ若い長男――王太子の後見として、国王の死後混乱しかけたトルキア王国を、無事平定する事に成功するのだった。
お付き合いいただき、ありがとうございました。




