表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【プロットタイプ】方便

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。

これは読者様の問題ではなく、私の問題。


詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。


注意事項2

嘘も少しは混じってるけど、大抵は本当だと思うよ。

人にはそれぞれ生き甲斐が存在する。これが生きている意味だとか、これがないと生きていけないだとか。俺にとっては執筆で、生きた証を残すことであるし、鏡花もきっとそうだろう。

だが決してそれだけでは無いことだけは、確かなのだ。


連休最終日、思い残す事があったのか、鏡花は電車を乗り継いで大都会に来ていた。お目当てはこの間諦めた純喫茶の様で、地図アプリを片手にずんずん進んで行く。

扉を叩いたのは、1900年代を思わせるアメリカのポップスが華やかに流れる場所だった。晴れかな挨拶と共に案内された席で、無言でメニューを捲る。視線が彷徨う。

此処に訪れる前に話していたケーキは物の見事に売り切れ。それ故に、何を注文するか、考えている様だった。しかし鏡花が口を開いたのは、全く関係のない言葉だった。

「一筆したためる気でいたんだ」

「へぇ」

「際どいの」

「ふぅん」

「消えちった」

「其れは結構」

こんな明るい、アメリカンな空気で書けるはずがない。場所の雰囲気に激しく依存するのが、普段の鏡花である。だから生々しい物を書く為には、周りの空気が怪しくなければいけない。または無音でなければいけない。書き物に置いては余りにも繊細な、諭羅の様な奴だった。

「でもまぁ良いか。この空気に水を差すような話を書くのは好きじゃないし。其れはとても失礼な事の様に思えるし」

「なんだ。気を使えるのか」

自由奔放。空気を掻き乱すのが大好き。そうして其れを観察するのが好む一面がそれなりにあるからこそ、今の発言は意外だった。

此奴と過ごして長くはなるが、見知らぬ一面も非常に多い。

「私は『生き甲斐』に対してはそれなりの敬意を払っているつもりだよ。其れがないと生きていけない、大切にしたいって事だからね」

「ただの方便に思えるな」

「そうかもね。でも浮かんだ情景が掻き消える様に、掻き消えるものだよ」

そうだな。お前は打数の人格を容赦なく保持して、其れを取っかえ引っ変えして生きている生き物だもんな。

「良い店だね。今度は諭羅も連れて来ようか」

隣から漂うのは、ふわりと揺らめく煙草の香り。吸わない癖に、愛して止まない匂い。

「やっぱ方便だろ」

此処での方便とはなんなのか。

其れはこの話の核となる、『生き甲斐』にあると思ってます。


『其れがないと生きていけない。だから大切にする』

これは極めて道理の通った理論ではあります。


鏡花にとって大切にしているものは、結構沢山あります。

此処に出て来たのだと、執筆もそう、純喫茶もそう、あと『瑠衣や諭羅』といった友人もそう。


其れがなくなったら生きていけない。

までは行かないけれど、その次くらいに大切にしたいもの。

でもそんな大切なものにちょっかいとか、軽い嫌がらせをするつもりだから『方便』。


この場合は諭羅の事ですね。

あの子は極めて繊細だから、煙草の匂いとか駄目なんです。だから分煙か完全禁煙のところの方が望ましい。


でも鏡花は其れを踏み倒して、『自分が好きだから』という理由だけで連れてこようとしてます。

結構雑。扱いが雑。大切にしてるとは言い難い。


だから『方便』だろ? って事。

煙草の匂いは嗅ぎたい時に好きなだけ嗅ぎます。


時間切れだからね。飲み直すか。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ