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【49】新年の衝撃



――――王都まですっかり寒くなった年末は一瞬のように過ぎ去っていく。気が付けば新年の行事が始まる。


この国は1月から12月までだから1月生まれのリュカさまは13歳、俺も20歳である。


そして今日は新年のパーティーだが、その前に陛下と王妃さまに陛下の執務室に呼ばれたリュカさまをエレナさんと待っていた。


「新年のパーティー前に呼び出しとは……何があったのだろうな」

「うーん、体調の確認とかかなあ」

今まではわざわざ呼び出す……とかそんなことはなかったはず。


「しかし悪い話ではないだろうよ。もしかしたらアーサーの到着が遅れている件かもしれない」

辺境へ向かったのも今回が初めて。こんなに遅れることは稀だが辺境伯の到着が遅れることも普通にあるので、辺境へ赴いているのなら不思議でもない。


「不安に感じているかもしれないしな」

エレナさんと話していれば、陛下と王妃さまとの話が終わったのかリュカさまが執務室からとたとたと出てきた。


「リュカさま、どうでしたか?」

「うんと……あのね、大丈夫だよ!」

そうだなあ。特に変わりないというかちょっとわくわくしているような表情だ。


「何か嬉しいことでも?」

「……んっと、えっと……内緒なの!」

「そんなリュカさまもかわいい!」

それにはエレナさんも同意のようだ。


リュカさまを第3王子の控え室に案内すれば侍女やイルたちが着替えをさせてくれる。


「パーティーで体調が悪くなったらすぐに言ってくださいね、リュカさま」

「うん!ロシェ!」

リュカさまかわいい。13歳になってもかわいい。ほんといつまでもかわいいよぉっ!


「最終確認をしましょうね」

「おかわいらしい」

「完璧です!」

侍女やイルたちがリュカさまの最終確認をしてくれる。


ううーんっ、やっぱりかわいい、うちのリュカさま!


トーマスからもGOサインが出たのでいつものようにリュカさまをエスコートし会場に入場しようとした時だった。


「あのね、ロシェ」

「ええ」


「アーサー兄さまも帰ってくるんだよね」

「その予定です。あちらは天候の影響で少し遅れるようですが」

今は銀竜が無料奉仕中なので竜移動で来られるが、今回はリュヤーがシェリルを連れてきてくれるので念のため天候も加味してくれたようだ。


「……」

「心配ですか?アーサーなら……」

「ううん、心配なのはロシェだよ」

「え……っ」


「アーサー兄さまがずっといないから、ロシェ、寂しいのかなって」

「……いやその、そんなことは……忙しさにかこつけてあっという間に年始ですし」

「ずっとずっと気を紛らわすように働いてたもん」

「……」

確かに寝る時以外は割と身体を動かしていたかもな。護衛当番じゃない時は雑用で走り回ったり後輩たちの訓練に付き合ったり、シャロンたちを手伝って冬に多く必要な薬の調合手伝ったり……。


「リュカさまがおられますから、寂しくなんてないですよ」

リュカさまをぎゅっと抱き締めてあげれば、リュカさまがにこりと微笑んでくれる。


「うん、ぼくがついてるからね」

ぽふぽふと背中に腕を回してくれるリュカさま。本当に尊すぎる。


第3王子の入場が告げられパーティー会場に入場すれば王族用の席にご案内する。アーサーの席は空席だが王太子さまやユラさまは既に到着しておりリュカさまに手を振ってくれてリュカさまも嬉しそうだ。


アーサーの到着はまだまだ遅れそうとあって、陛下と王妃さまの到着後、先にパーティーの開始が告げられる。


「今日はみなにひとつめでたい報せがある」

えあ?これからみんな好きに楽しんでの流れじゃないのか?陛下。特に俺たちは聞いてないが近衛騎士団長や王妃さまは普通にしているようなので一部にはサプライズではあれどパーティーの進行通りのようだ。


「第3王子リュカとローズナイト公爵令息アッシュとの婚約を発表しよう」

え……?ローズナイト公爵令息と言えば近衛騎士団長の長男である。


リュカさまはそれを知っていたのか照れたようにはにかむ。……いや、陛下の執務室ではそれを知らされたのか。

そうか……それはそう言うこと……。


リュカさまの近くに控えるエレナさんたちも含め、全員の気持ちはひとつである。


い……い……。


リュカさまがお嫁に行くなんていやだぁ――――っ!!!



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