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作者: 雪野夏

貴方の夢はなんですか?

と尋ねられることが苦手だ。

夢ってどこにありますか?どう抱くものですか?

とこちらが尋ねたいほどだ。


夢の抱き方を教えたことなどないくせに

なんて無責任なのだろう。


どういう感情を抱くことが夢を持っているということなのだろうか。

充足感?期待感?

それが分からないのに夢だと信じるものがあるというのはおかしなことなのではないか。


貴方が、周囲が、それを夢だと思わせ、思いたいだけなのではないか。


また、夢は叶うことで夢ではなってしまう。

夢は叶わないから夢なのではないか。

叶ってしまえば夢見る必要もない。


夢の有無を尋ねるのは

到底叶わないものに焦がれる気持ちが

どうしようもなく生き生きとしたものだからなのかもしれない


そうすると

結果的には夢はない方が幸せなのかもしれない


夢があることを良しとするこの世界の価値観は

夢が叶わなかった者の新世代への羨望によって形成されている


そうして夢によって輝き

夢によって傷つくことが繰り返されてゆく


そんな世界を生きる貴方には夢がありますか?



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