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さらにおまけ

「やったよグロウ。あなたは喜ばないかもしれないけど念願のメダル、ゲットしたよ」


 彼氏さんの墓標にメダルを供え、彼女さんは優しく声をかけていました。

 これで二人の望みを果たすことができました。わたしの役目はこれで終わりです。

 彼女さんは墓標からこちらへと向き直り、目と目が合います。


「やっぱり私の目に狂いはなかった。中継を見ていましたけど、想像以上の実力でした。本当にありがとうございました」


 深々と頭を下げる彼女さんの肩に手を置いて、優しく微笑んであげます。


「喜んでくれているといいですね。彼氏さん」


 長年死者と触れ合ってきても、その魂とまでは触れ合えないのでわたしからはこんな言葉しかかけてあげられませんでした。


「はい……今日のことは忘れません」


 嬉し涙を指で拭い、不器用ながらも笑顔を浮かべて頷く彼女さん。

 残念ながら賞金を手にすることはできませんでしたが、彼女さんのお願いには〝優勝賞金を貰う〟という条件で引き受けた以上、わたしに文句を言う資格はありません。貰った賞金が木っ端微塵となってしまったのだから。

 世界を恨みはしても、彼女さんを恨むのはお門違いというもの。恨むぞ世界。


「また大会には?」

「出ないでしょうね。今回が特別だったんです」


 そもそもレースの存在自体、記憶の片隅に追いやられていましたからね。興味がそそられないのでしょう。あまり。

 これはあとで知った話ですが〝落下したら失格〟というルールから〝魔力板(マギボード)から離れて5秒で失格〟というルールに改変されたそうです。わたしのときはルール違反ではなかったのでお咎めは無しだそうですが、魔力板(マギボード)を使わずに飛ぶのはやっぱりズルかったようです。

 残念そうな表情を浮かべる彼女さんでしたが「仕方がないですよね」と呟いて佇まいを直しました。


「あの、葬儀屋さんはこれからどうされるんですか?」

「どうもしません。わたしの日常に帰ります」


 軽く肩をすくめて答えます。

 いつも通り、いつもの無一文な旅に戻るだけです。慣れっこです。ぴえん。

 そういえばあの炎の魔法を使う青年にも結局会えませんでした。お礼のつもりで一度くらいデートになら付き合ってあげてもいいと思っていたのですが。もちろん向こうの奢りで。

 そんなことを考えていたら、彼女さんが真剣な表情を浮かべました。


「でしたら、予約(﹅﹅)をお願いしたいのですが、可能ですか?」

「…………構いませんよ。その覚悟があるのならば」

「とっくにできています」


 彼女さんからの申し出に察し、頷きました。もう少しだけここにいることになりそうです。




 ──その後なにがどうなったかは、語らないでおきましょう。

 はーい、いつものクソ長あとがきの時間だよーあとがき好きな人は集まれー! そうじゃない奴は評価したら帰れー!


 というわけで今回も最後まで読んでくれてありがとうございました。マジで。

 今回の話は、魔力板(マギボード)でレースしたら面白いんじゃね? って感じで完全に思い付きとノリと勢いで書き始めました。あとがきってルビ使えるのかな? まぁいいや。

 最初は面白くなるという確信をもって書いていたのですが、いざ書き始めてみればこれが結構難しいというか大変で……今となっては楽しく書けたと思うけどぶっちゃけ苦労しました。創作を馬鹿にするような人は「生みの苦しみを知りなさい」ってちはやふるで古文のじいちゃんが言っていました。だからなに言われてもふふんがふん。

 そのせいかちょっとネタよりの内容になってしまって、本編としては使えないという判断により番外編という扱いにさせてもらいます。なんだったらボツで投稿すらしないまでありました。でもせっかく書いたのに投稿しないのはもったいないのでね。もったいないお化けの正体は僕です。

 放送でアイデアを募ったらみんな結構出してくれて、あ、自分執筆配信してるんですけど、それで参考にしつつ書いていたら収まらなくなって一話だけはみ出しちゃいました。反省はしていません。後悔もしていません。だからこそ番外編にしたってのもあります。これでもまだ書きたいネタがあったんですよ実は。魔力板(マギボード)が合体するとか、分裂して体の一部になるとか。パワードスーツ的な感じで。他の選手のボードを奪って売るような悪行三昧の選手とか、いろいろアイデア出してくれて、どれも面白かったから採用したかったんだけど、いちおう文字数とか話数の制限がある以上、これ以上は採用できなくて……。

 ホワイトさんはもう参加しないって言ってたけど、使えなかったアイデアがある以上、まだ可能性はあります。もしその時が来たら、優勝経験者ってことでさらに一人狙いされることでしょう。それはそれで面白そうなので、期待はしないで第二回を待ちましょう。いや、待たないでください。書かないといけなくなるから。


 ホワイトさんの元へ現れず、どこかへ行ってしまった炎の青年なんですが、特別に彼から伝言を預かっています。


「俺はまだ彼女の隣に立てる男じゃなかった! 修行して肩を並べられるくらいの男になってくる!」


 だそうです。ホワイトさんの前に現れなかったのはそういう理由だそうです。会いに行ってたらデートできたかもしれないのにもったいないことしちゃったね。もしかしたらどこか旅先で会うことがあるかもしれないので、まぁがんばりなされ(他人事)

 あ、そうそう第4章のあとがきでグリーンちゃん出番あるって言ってたが、あれは嘘だ! 登場はさせたんだけど出番無かったわ! 当初は鳥を通じてナビゲートでもさせようと考えてたんだけどね、グリーンがホワイトびいきしちゃって面白くなかったのでカットしました。あと文字数増えちゃうのー。すまんなグリーン。君のことは好きだが、もうしばらく出番はない!(ドンッ)


 次章の話になりますが、今度は真面目な話にしてみようかなって思います。ちょっと悲しいというか、儚いというか、そんなお話にできたらいいなぁって考えています。考えているだけだけど。対戦よろしくお願いします。


 それでは、こんなところまで読んでくれたあなたに感謝を。そしてあなたに良き小説ライフがありますように。


 次章 → のんびり執筆中。

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