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おまけというか、そのあと

 時間をかけてスタート地点へと戻ったわたしとトサカ頭は歓声の中、壇上へ登ります。わたしは一位なので一番高い位置へと。このレース、一位にならなければ賞金もメダルもないのでわたしの一人勝ちです。


『それでは勝者インタビューをしたいと思います! 代走で、しかも初参加ということですが、今のお気持ちをお聞かせください!』


 マイクを向けられたのでマイクに口を寄せ、完璧な営業スマイルで答えます。


「素直に嬉しいです。わたし一人では突破できなかった難関もあったので、手を貸してくれた人たちには感謝を伝えたいです」


 わたしの言葉はマイクを通じて拡声され、観客たちの耳へと届いていきます。


『なるほど、一人で掴み取った勝利ではないということですね! では最後に一言、なにかあれば!』

「あ、じゃあ。──彼氏さんを殺したのはトサカ頭です。自分でそう言ってました。あとどうするかは任せます」

『えーと、それはどういう……?』

「完全にこちらの話ですので、お気になさらず」


 困惑する司会者と観客たちにそう伝え、わたしは今か今かとソワソワしてしまいます。

 優勝した暁にはアレが貰えるはずです。そう、アレです。

 賞き──メダルが。


『では、優勝したホワイトさんにはメダルが贈られます!』


 気を取り直した司会者の合図により、わたしの首に金色に輝く重厚感のあるメダルがかけられました。レースに参加している人はみんな、これを目指して頑張っているのですよね。これにはそれだけの価値があると。


『さらに! あちらにある賞金が全てホワイトさんの物となります!』


 ん? あちらにある?

 司会者が手で指し示す先を見てみると、大きなコンテナとでも言うべき箱が鎮座しています。

 まさかの現物でした。どうやって持ち帰れと。


『おめでとうございます!』


 ──ドォォォォォォォオン!(1カメ)


『おめでとうございます!』


 ──ドォォォォォォォオン!(2カメ)


『おめでとうございます!』


 ──ドォォォォォォォオン!(3カメ)


『おめでとうございます!』


 ──ド ォォ ォォ ォォ ォ オ ン !(スロー)


 わたしの物となった瞬間、賞金が大爆発。一体なにが。

 全員が突然のことに顎を外している中、わたしはいち早く原因を突き止めました。

 噴火です。あの大噴火によって空中に巻き上げられた溶岩が今更になって、こんなところに、ダイレクトアタックしてきたわけです。

 当然わたしの賞金は全てが木っ端微塵となりました。もうこの一言しかありません。




 ──爆発オチなんて最低です。

なんとまだもうちょっとだけ続くんじゃよ。

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