1話
これはタイトルにもある通り番外編としての扱いになるので別に読まなくても大丈夫です。読むならタイトルにもある通り4.5章の位置付けになります。
ので、4章がまだの方はこちら → https://ncode.syosetu.com/n9466he/
いないと思うけど初めて見にきたから1章もまだだよって方はこちら → https://ncode.syosetu.com/n9532gp/
ハッキリ言って今回の話はボツ。でも投稿しちゃう。これを投稿することによって供養とする。
以下はいつものやつ。
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説明不足のところが多々あると思いますが「そっち(読者)が分かれ」くらいの気持ちで書いたので分からない、足りないと感じた部分はそちらが頑張って解釈なり考察なりして補完してください。
自分勝手ではありますが、反省はしてません。後悔もしてません。明らかなミス(意図的でない矛盾や誤字脱字など)以外は直す気もありません。つまりなにを言われても基本的に聞く耳を持ちません。どや。
以上のことを踏まえたうえで、軽〜い気持ちで読んでくれればと思います。
ちょっとでも良かったと思ったら、どれくらい良かったか↓の☆で表してくれると嬉しいです。それでは本編どうぞ。
初めましての方は初めまして、そうでない方はお久しぶりです、わたしは旅する葬儀屋を営んでおりますホワイトと申します。以後、お見知りおきを。
何度も同じ説明の繰り返しでそろそろ耳にタコができてしまったかもしれませんが、それでも何度でも同じ説明を繰り返させていただきます。
人の死体には悪魔が宿り、それはそれは恐ろしい、破壊と死を撒き散らす〝魔人〟という存在になってしまいます。そうならないようにするためには、魔人になってしまう前に弔ってあげる必要があります。
ある意味危険と隣り合わせの職業──それが葬儀屋という存在です。実はわたし、その界隈では結構有名な美少女なんですよ? どや。
ちなみにホワイトは本名ではなく、葬儀屋における通り名のようなものです。
「ご冥福をお祈り申し上げます」
「ありがとうございました……」
本日も、仲の良かったであろうカップルを丁重に弔い、葬儀屋としてのお仕事を果たします。
墓前にはボロボロの魔力板が立てかけられていて、彼女さんはその前に膝をついて涙をこぼしていました。魔力板は酷い有様で、これではもう使い物にならないでしょう。
「葬儀屋さん……聞いて、くれますか?」
「ええ、もちろんです。わたしでよろしければお聞きしますよ」
ニコリと微笑み、肯定しました。わたしは落ち着いて話ができる状態になるまで静かに待ちました。
彼女さんは鼻をすすり、呼吸を整えてから話し始めます。
「……葬儀屋さんは『魔力板レース』というものを知っていますか?」
「ええ、聞いたことはあります」
こちらのカップルは、そのレースの選手とメカニックという繋がりからお付き合いが始まったそうです。彼女さんはメカニック側だとか。
「確か、かなり危険なレースなので葬儀屋も待機を命じられていると聞いています」
「あなたも葬儀屋じゃ……?」
「それはそうですがいったん置いておいて、そのレースがどうかしたのですか?」
わたしは普段から旅をしているので待機を命じられたことはありません。と言いますか、そもそもわたしのところまで届かないだけなんです。命令が。わたしは悪くありません。
彼女さんは続けます。
「彼はそのレースに毎年出場していて、優勝候補の一人と注目されていました」
そして練習中の事故により、彼氏さんは亡くなられてしまったのです。
危険なレースの練習ですから、そういったことも少なからずあるでしょう。
ですが、彼女さんは首を横に振りました。
「これは……事故ではありません。私はそう確信してます」
「……誰かが殺したと? なぜそうお考えに?」
「この傷が私に訴えかけてくるんです。『罠にハメられた』って」
そこに彼氏さんの面影を重ねるように優しく傷に触れながら、彼女さんは言いました。
本当に魔力板が語りかけているんじゃないかと思えるほど、彼女さんの言葉には不思議な説得力があって──
「罠……ですか」
「魔力板レースは、始まる前から始まっているものですから」